デコの辛く長い夏
7月19日
チェルシーは米国に来ている。
シアトルで行われたシアトル・サウンダースとの親善試合は 2-0 で勝利。
アンチェロッティ監督は初戦を勝利で飾った。
驚いたことに、試合開始前の記念撮影にデコが映っていた。
「スクワットの途中です」
と言っているようないつもの中腰スタイル。
あの姿勢は世界中のサッカー選手でデコしかいないので、すぐにわかる。
デコはメディアに対して、チェルシー残留に満足していると述べたようだが、もちろん本心のわけがない。
契約の世界に生きる大人ゆえの優等生発言だ。
デコほどバカ正直な男はいない。
「損をするからもうちょっと、本音を隠したほうがいいよ」
デコの周囲にいる人ならば、一度はそう忠告したことがあるだろう。
デコほど信用できる男はいない。
そのデコが心にもないことを言わなければいけない。
辛い夏になった。
7月25日
デコが移籍を希望しているインテルは、イブラヒモビッチをバルセロナに放出、替わりにエトーを獲得した。
モウリーニョはこう言っている。
「バカな監督だけがエトーの加入を喜ばない。バカな監督だけはイブラヒモビッチの移籍を喜ぶ」
バカな監督というのが誰を指しているかは文脈から読み取れるが、相変わらずの言いたい放題ぶりがおかしい。
いつか、デコが現役を引退し指導者の道に進んだ時、今のまま変わらずに、言いたいことを言って欲しい。
もちろん、モウリーニョのように結果を残しながら。
エトーはゴール前に転がった球に、猛烈なスピードでありつき、ゴールに押し込む選手だ。
エトーを活かすには、ラストパスを出せるMFが必要になる。
それには誰が適任なのか、モウリーニョはよくわかっているはずだ。
バルセロナにいた時、チーム内で浮いているエトーに対して
「彼は少し変わっているというだけさ」と擁護していたデコ。
エトーとデコのコンビが再び実現すれば、欧州CL制覇が現状よりも近づくのは間違いない。
7月27日
モウリーニョは、依然として現戦力ではCLは勝てないと言い続けている。
だが、インテルのモラッティ会長は反論する。
「デコがインテル入りを待っている?チームはこれで万全だと思う。
だから、さらなる補強を訴える人には同意できない。
私にはフレブがいる。彼は爆発するはずだ」
イブラヒモビッチとの交換で、エトーと共にバルセロナから手に入れたMFフレブ。
位置はデコとかぶる。
インテルのMFには、かつての輝きを取り戻したモッタもいる。
モッタはデコと同じブラジル人。
デコがバルセロナで「最高の親友」と言っていたやつだ。
デコの加入はモッタにとってもプラスに働くに違いない。
そして、7月末現在、フレブはインテル入りを拒否。
チェルシーに帯同しているデコに、いつ吉報が届くのか?
デコの辛く長い夏は、8月の境を超えていく。
デコブログ 次回は8月23日(日)に掲載します。
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