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2009年8月 2日 (日)

デコの辛く長い夏

 7月19日
 チェルシーは米国に来ている。
 シアトルで行われたシアトル・サウンダースとの親善試合は 2-0 で勝利。
 アンチェロッティ監督は初戦を勝利で飾った。

 驚いたことに、試合開始前の記念撮影にデコが映っていた。
 「スクワットの途中です」
 と言っているようないつもの中腰スタイル。
 あの姿勢は世界中のサッカー選手でデコしかいないので、すぐにわかる。

 デコはメディアに対して、チェルシー残留に満足していると述べたようだが、もちろん本心のわけがない。
 契約の世界に生きる大人ゆえの優等生発言だ。
 デコほどバカ正直な男はいない。
 「損をするからもうちょっと、本音を隠したほうがいいよ」
 デコの周囲にいる人ならば、一度はそう忠告したことがあるだろう。
 デコほど信用できる男はいない。
 そのデコが心にもないことを言わなければいけない。
 辛い夏になった。

 7月25日
 デコが移籍を希望しているインテルは、イブラヒモビッチをバルセロナに放出、替わりにエトーを獲得した。
 モウリーニョはこう言っている。
 「バカな監督だけがエトーの加入を喜ばない。バカな監督だけはイブラヒモビッチの移籍を喜ぶ」

 バカな監督というのが誰を指しているかは文脈から読み取れるが、相変わらずの言いたい放題ぶりがおかしい。
 いつか、デコが現役を引退し指導者の道に進んだ時、今のまま変わらずに、言いたいことを言って欲しい。
 もちろん、モウリーニョのように結果を残しながら。

 エトーはゴール前に転がった球に、猛烈なスピードでありつき、ゴールに押し込む選手だ。
 エトーを活かすには、ラストパスを出せるMFが必要になる。
 それには誰が適任なのか、モウリーニョはよくわかっているはずだ。

 バルセロナにいた時、チーム内で浮いているエトーに対して
 「彼は少し変わっているというだけさ」と擁護していたデコ。
 エトーとデコのコンビが再び実現すれば、欧州CL制覇が現状よりも近づくのは間違いない。

 7月27日
 モウリーニョは、依然として現戦力ではCLは勝てないと言い続けている。
 だが、インテルのモラッティ会長は反論する。
 「デコがインテル入りを待っている?チームはこれで万全だと思う。
 だから、さらなる補強を訴える人には同意できない。
 私にはフレブがいる。彼は爆発するはずだ」

 イブラヒモビッチとの交換で、エトーと共にバルセロナから手に入れたMFフレブ。
 位置はデコとかぶる。
 インテルのMFには、かつての輝きを取り戻したモッタもいる。

 モッタはデコと同じブラジル人。
 デコがバルセロナで「最高の親友」と言っていたやつだ。
 デコの加入はモッタにとってもプラスに働くに違いない。

 そして、7月末現在、フレブはインテル入りを拒否。
 チェルシーに帯同しているデコに、いつ吉報が届くのか?
 デコの辛く長い夏は、8月の境を超えていく。

 デコブログ 次回は8月23日(日)に掲載します。



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