自分らがやりたいだけじゃん
駅前では選挙カーから、総選挙に向けた演説が大音量で流れている。
「政権交代の力をください!」
それを見ていた女子中学生がつっこんだ。
「自分らがやりたいだけじゃん」
国のためとか、人のためというのではなく、自分たちが一度「政権をやりたいだけ」
彼女はそう論じている。
中学生でもこれだけ、見透かしているということに、微笑ましい気持ちになった。
民主党が政権をとると、民主党はいい思いをするだろう。
彼らが唱える「脱官僚」は1998年に始まっている。
1998年6月、「中央省庁等改革基本法」成立
1999年7月、「中央省庁等改革関連法」が成立
2001年1月6日、省庁再編に関する法律が施行された
中央省庁等改革関連法とは、中央省庁を統合し、国家公務員の経費削減と許認可権限の再編を目論む17の法律の総称。
代表的な内容
■1府22省庁→1府12省庁に統合
■中央省庁局長ポスト128→96
■閣議の発議権を総理大臣が掌握(従来は事務次官が閣議内容を決めていた)
もう11年が経っており、日々、政治家と官僚のせめぎ合いの中で、民主党が言う「脱官僚」は進んできた。
そこに後からきて、組織の仕組みを変えるだけ。
それで、そこまでやってきたことを含めて
「私たちがやりました」
ということができる。
科学技術の振興は2001年にスタートした。
2001年1月6日に行政改革が行われ従来の総理府から内閣府管轄となり、総合科学技術会議が設けられた。
小泉総理大臣は、新世紀維新といえる科学技術立国をめざすことを掲げ、明治以来変わっていなかった科学技術のシステムを見直した。
2001年3月30日に基本計画が閣議決定された。予算は政府研究開発投資、むこう5年で24兆円(前提:GDP比1%)
この取り組みも9年が過ぎている。
これまで既存政権がやってきたことを、手を変えて発表するだけで
「私たちがやりました」
ということができる。
これまでの与党と官僚が築いてきた仕組みに遜色はない。
遜色があれば、これほど豊かで安全な国にはならない。
大切なことは、相手への敬意。
過去はすべてぼろくそにして、すべて自分たちが築いたかのようにすり替える方便を聞くのは気分が悪い。
既存与党は衆参の議員を3割減らすと公約した。
共産党は現状どおり、政党助成金を受け取らないと公約した。
新政権公約は、自らの食い扶持を減らす約束がうすい。
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