日本三大潮流を越え、九州上陸
下関IC出口を過ぎると間もなく関門海峡。
高速が海を渡る手段は関門橋。
橋脚が少しずつ高くなり、やがて橋を吊るワイヤーが渡り、橋が両脇から延び、そして本州と九州がつながる。
かつて、その光景を定点観測していた。
あれだけ大変な工事をして、高速道路でクルマが走るだけとはもったいないと子供心に思った。
今でも、道路の向こうに橋脚が見えてくると、初めてここを走った時の特別な思いがよみがえる。
指をくわえてみていた橋の上に、今自分がいる。
時間と空間は脳の中で一瞬のようにつながっている。
関門橋は早鞆瀬戸(はやとものせと)と呼ばれる、海峡のもっとも狭い場所にかかっている。
ここは、鳴門海峡、西海橋(長崎)と並び日本三大潮流に数えられ、潮の流れが速い。
この「日本三大**」というのは、言った者勝ちのいい加減なくくりである。
日本三大名泉、日本三大源泉、日本三大古泉・・似たようなものが多い。
当事者でなければ「なんやそれ」とツッコンで終わりだが、それを誇りにして生きている人も多いのである。
いつも早鞆瀬戸を見て育ったから「日本三大潮流」にこだわりがあるが、この話をして誰かに感心されたことが一度もない。
18:50
関門橋を渡り終えて九州上陸。
佐世保への到着予想時刻は 21:50
果たして、この時間には福岡-太宰府の通行止めは織り込まれているのか。
19時を過ぎると日が落ちたが、西の空はまだまだ明るい。
ずっと九州で育った人間にとっては、これが体内時間。
この時間の明るさは、ここに帰ってきたことを教えてくれる。
門司から先の道は、もう何度も走ったコース。
目をつぶっていても走れる。
初めて走る道が緊張するのは、カーブのRがわからないからだ。
どれだけ切れ込むのか。どれくらい踏めるのか。
一度走った道ならば、これ以上のRはないと体が覚えているので、その範囲内でアクセルを踏んでいける。
福岡インターから先は通行止め。
現地の手前30kmあたりで、カーナビが迂回路を提案してきた。
VICSは一定範囲の情報のみを反映することがわかる。
恐らく都道府県を越えた先の情報は反映しないのだろう。
19:48 福岡インター出口は渋滞表示が出ていたが、現地に着いてみると、さほどのよどみはなく、皆さん、粛々と一般道に降りていく。
カーナビに言われるまでもなく、福岡インターを出て都市高速を選択。
福岡インターから都市高速に乗ると、一旦福岡市東区の海沿いまで北上。そこから西へ進む道と分岐、左へ進むと博多駅をなめて南下。太宰府インターへ着く。
よかトピア開催時に整備が進み、今でも福岡の都市高速は延伸をつづけている。
結局、土砂崩れによる福岡IC‐太宰府IC間の通行止めは17日間に及んだ。
8月26日、国土交通省九州地方整備局は、通行止めに起因する「渋滞損失」が13億円という試算を発表。
国土交通省九州地方整備局という名前を聞くと違和感がある。
国交省は国の機関。現地には福岡県庁がある。
それなのに、なぜ国の機関の出先があるのか。
中央省庁の「官僚」は30万人。
そのうち20万人が、こうした地方の出先にいるのだ。
「官僚は30万人いますが、霞ヶ関には何人いるでしょう?」
バラエティ番組が街頭インタビューでこの質問をしたら、大半の人が「25万人くらい」と答えるのではないか。
お昼時の日比谷公園は、中央省庁に勤める10万人の官僚でごった返す。
日比谷公園が混まないよう、あとの20万人は地方に流しておくのかも知れない。
上級公務員が現場を知るために、出先を回るのは容認するとしても、3分の2が出先にいるというのは異様。
公務員が優秀な人材を吸い上げて、民間に人材が残っていない。
日本の現実を見る思いだ。
*渋滞損失の定義
乗用車、トラック、高速バスなどが、渋滞によって被る時間的遅れの損失を金銭換算したもの。
この日は、別コンピューターシステムのために救済が効かない「高知自動車道」から乗っているため、"渋滞損失"が出ているはず。
ただ、クレジットカード会社から来たこの日の請求を見る限り、いくら損なのか、さっぱりわからない。
サカイデホンセン ハヤシマホンセン 1000
コウチ フクオカホンセン 1000
フクオカコウソク フクオカホンセン 540
合計 2,540
太宰府から先の料金はどうなったのか・・・
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