庶民のための政治ってなんだね?
8月10日
河村たかしは定例会見で、名古屋城を「木造に建て直す」という構想を発表した。
現在、コンクリートでできている名古屋城天守閣を木造に建て直す計画。
工費は150億円を見込む。
名古屋城は1945年にアメリカの空襲で焼失。
その後、1959年に天守閣がコンクリートで復元された。
河村たかしは、これを「名古屋市民の精神的基柱」として、木造に立て直すという。
名古屋城の中に入ると、金のしゃちほこが飾ってあるのも異様だが、エレベーターがあるのには笑う。
「名古屋は技術が進んでいて、徳川幕府の頃からエレベーターがあったんだ」
つい、連れに解説をしてしまう。
7月21日に衆議院が解散した時、河村たかしはこう言った。
「庶民のための政治を民主党がやれば、結果として政権交代させてもらえるだろう」
抽象度の高い言葉だ。
何を言っているのかわからない。
「庶民のための政治」とは何か?
ある人は、子育てに26,000円を支給することが庶民のためと言い、
ある人は、官僚の権益をとりあげることが庶民のためと言う。
だが、河村たかしが言後に秘める思いは違うはずだ。
河村が言う「庶民のための政治」は、職業化した「政治屋」が、たくさん給料をもらって働く政治ではない。
高給取りの官僚が動かす政治でもない。
衆議院選挙戦が始まり、河村は各地の民主党候補者から応援要請を受けた。
それまでにも、千葉市長選、奈良市長選、さいたま市長選、東京都議選に駆り出されている。
民主党は、あれだけ干しておきながら、人気がでると手のひらを返したように、河村を利用し始めた。
選挙応援の報道からは、河村たかしの人気が着実に大きくなっていることが見て取れる。
民主党が政権をとったことで、河村の総理への道は遠のいた感があるが、もしも、法律が変わり、首相公選制となれば、河村たかしにもチャンスがありそうだ。
ただし、それは自民党が政権を取り戻すことが前提であり、そこからの議論開始となれば 早くとも2020年。
1948年生まれの河村たかしは、72歳になってしまう。
8月15日
お盆の期間、河村たかしはロサンゼルスを訪問した。
名古屋市とロサンゼルス市は姉妹都市。
河村たかしは提携50周年の記念植樹式に参加し、サクラを植えた。
著書で、ロサンゼルス市会議員の年収をとりあげるなど、彼はこの町が好きなようだ。
*著書に紹介されているデータ
ロサンゼルス市議会議員の年収は 1500万円
ロサンゼルス市議会議員は4選禁止 任期は4年×3期=12年まで。
ロサンゼルス市長は3選禁止 任期は4年×2期=8年まで。
河村たかしが市長を務める名古屋市議会の場合、
市議会議員の報酬は 1,550万円+政府調査費660万円+費用弁償 80万円で、年間およそ2,290万円
名古屋はロサンゼルスと比べると、給料が高いうえに、なんべん選挙に出てもよい。
議員はどえらい、おいしいでかんわ
世襲と言われようが、この美味い汁が離せるか!
そして、これは名古屋に限ったことではなく、日本全国の市町村議会(ただし福島県の矢祭町を除く)、そして国会議員に言えることなのだ。
河村たかしは、偉くなりたくて、稼ぎたくて「総理を目指す男」をやっているのではない。
名古屋を「日本一税金が安い町」にした後は、政治屋ではなく政治家が(ボランティアに近い)薄給で、有権者からの献金を受けて行う「庶民のための政治」を目指しているのである。
先の衆院選、自民党公約には次の項目があった。
「次々回総選挙で、衆議院定数1割以上削減」
「10年後、衆参 3割定数削減」
共産党は政党交付金を現在も受け取っておらず、今回の総選挙でもそれを公約した。
それぞれが、自らの身を削り、新しい「庶民のための政治」を模索している。
河村たかしがいう「庶民のための政治」と、民主党がめざしている「庶民のための政治」は根本的な違いがある。
【 河村たかしを追っかけるがね 】 は、毎週木曜日に掲載しています。
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