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2009年10月15日 (木)

結局は、言ったもん勝ちかね

【 河村たかしを追っかけるがね 】

 京都議定書で決まった日本の目標は、温室効果ガスを1990年と比較して6%減らすこと。 しかし、2002年時点で既に「マイナス6%」という目標値が、現実とは違っている。

1990年の排出量 12億3700万トン
2002年の排出量 13億3100万トン
この時点で、マイナスではなく、プラス 6%になっている。
京都議定書の日本の削減目標は、11億6,300万トン。
実際には「マイナス6%」ではなく「マイナス12%」が必要なのだ。

 民主党の鳩山総理は国連で「25%削減」をぶちあげた。

1990年の総排出量12億トン×25%= 30,000万トン
これに1万円をかけると、3,000,000,000,000,000円
3,000兆円である。

 この「25%」も、実際に達成するためには「マイナス31%」を達成しなければならない。
1990年の総排出量12億トン×31%= 37,200万トン
これに1万円をかけると、3,720,000,000,000,000円
3,720兆円である。

 鳩山総理は「3720兆円をひねり出す自信がある」ということを断言したのだ。
 いったい、どんな魔術を使うのだろう。
 居酒屋で「環境とか興味あるのぉ」と言っているような一般コクミンが言うのならば罪はないが、860兆円という(GDP比)先進国最高の借金を背負っている国の総理大臣が、3720兆円を捻出できるというのだから、スゴイ!
 鳩山総理が国連で、25%削減すると演説したというニュースを聞いて、すべての時が止まったかと思った。

 二酸化炭素1トン減らすための対策費を1万円と試算したのは前政権。
 この予算の内容を具体的にいうと、対外的には排出権取引、技術供与。
 国内でいえば、環境技術開発、環境設備の建設、環境対策への給付である。

 環境技術の進歩により、1トン1万円という単価は下がる可能性がある。
 だが、半分に下がったとしても1,860兆円。およそ37年分の国家予算である。
 そんなお金を出せるはずがない。

 国が金を出せないならば、出すのは企業とコクミンしかいない。。
 ここでコクミンというのは、税金ではなく、個人の家計支出ということになる。

 企業とコクミンに金を出させるためには、鳩山総理が街頭演説でにっこり笑うだけではダメだ。
 法整備が必要である。
 日本は法治国家であり、法律がなければ何も強制できない。
 反対の言い方をすれば、法律が決まれば、何でも強制できる。

 民主党政権が「マイナス31%プロジェクト」へコクミンを強制参加させる法律の一つが「屋上緑化法」だ。

 「屋上緑化」とはビルの屋上に緑を植えて、二酸化炭素の吸収を図る地球温暖化対策。

 日本で最初に取り組んだのは長崎県の軍艦島。
 1963年に高層アパート(日給社宅)の屋上に青空農園を造成した。

 東京都は2000年12月より、敷地面積1000平米以上の新築、増改築に対して、屋上面積の20%以上の緑化を義務付けている。

 東京都渋谷区では、300平米以上の一般住宅で敷地の20%以上に緑を植えると1平米あたり4,000円(屋上の場合)が支給される。

 「マイナス31%」を達成するには、企業とコクミンはすべての建物において屋上・庭・壁面を使い、敷地の30%以上に緑を植えることを義務づける・・
 それくらいの法律が必要だ。

 ただ、いずれにしても、1,860兆円や3,720兆円規模の削減ができると考えるほうがおかしい。

 これからの歳月で、溢れんばかりの言い訳が並べられ、ある一定の期間は企業とコクミンが、環境対策の実費負担に苦しむだろう。
 マイナス25%達成の期限となっている2020年には、誰もそんなことは覚えていないだろうし、その責任も追及されないだろう。

【 河村たかしを追っかけるがね 】 は、毎週木曜日に掲載しています。

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