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2009年10月 9日 (金)

黒田庵についての2つのページ

博多南駅を出て3kmの距離に「アベニュー」はある。
アベニューはパスタと珈琲が美味い店。
というよりも「行きつけの喫茶店」に好適な店である。

 

かつて「750ライダー」というマンガを見て、毎日入り浸る行きつけの喫茶店に憧れていた。
そこで、住んでいた町のすべての喫茶店を訪問して「喫茶店マップ」を作った。
その時に見つけたのが、開店したばかりの「ロッキングチェア」だった。

 

ロッキングチェアはアベニューのマスター野田さんが、かつて開いていた喫茶店。
早良区藤崎にあった。
揺り椅子のロッキングチェアがカウンターに並び、客は思い思いに珈琲を飲み、少年ジャンプを読み、マスターと会話する。
「いらっしゃいませっす」
と、体育会系の活きのいいマスターの笑顔のかけ声に誰もが魅了された。

 

その後、春日市紅葉ヶ丘で開いたのがこのアベニュー。
今回訪れたところ、店の右隣りに駐車場も確保されていた。
東京では、駐車場があって、気さくなマスターがやっているという条件が揃う喫茶店がなかなか見つからない。あまりに見つからないから、自分でやろうかと思ったりする。

 

高知の福辰で買ってきた「酒盗」をプレゼント。
そして、いつものダッチコーヒーをアイスで注文。
水出しのコーヒーが一般的になったのは2000年代に入ってからだが、マスターはその20年前から店にダッチコーヒーの設備を設えていた。

 

最近、誰か来る?
これが数年に一度この店に来た時、お決まりでする質問。
「いや、最近はきとらん」
ロッキングチェアに集い、バイクのツーリングや合宿をしていた仲間も、それぞれの暮らしに散って最近は見かけないようだ。
テレビで流れる炎天下の高校野球を眺めながらマスターが話す。

 

 

アベニューをお暇すると、次は博多のメインテーマ、学生の時に通った食堂は今?である。
その食堂とは、学生の街「西新」にある黒田庵。
最後に店の前を通りかかったのは2005年。
店の前に奥さんと、お子さんたちが出て、にこにこ笑っていた。
あ、まだやっているんだなと確認したが、最後に食べに行ったのは昭和の時代に遡る。

 

以下は2002年2月にしらべるに書いた黒田庵の記事である。

 

(以下引用)
黒田庵 【 くろだあん 】
福岡市早良区西新にある、格安でおいしい食堂。

 

 中定(ちゅうてい=中定食)、上定(じょうてい=上定食)が基本。一皿に11種類ほどのおかずが乗る。他にカツ丼、カレーも庶民的な味でうまい。
 学生、独身のサラリーマンにとってとてもありがたい存在。

 

 いつもニコニコの大将と今くるよに似た奥さんのご夫婦がやっている。
 いつまでも元気でお店をつづけていただき、できればお子さんにもお店を継いでもらいたい。
(引用おわり)

 

 ご主人も、今くるよ(太っている方です)に似た奥さんも、もうそこそこの年齢のはず。今もまだお店は続いているのか。
 実家が博多の同僚や、学生時代の友達に尋ねても誰も情報を持っていない。
 以前はインターネットタウンページに出ていたが、今はヒットしなくなっている。
 インターネットで「黒田庵」を検索しても、現在の消息がわからない。
 ただ一つ、気になる内容のサイトがあった。

 

 引用する場合、引用元を明示するのが原則だが、ここではサイト名はあえて伏せる。その理由は賢察を願いたい。

 

 そこには以下のように書かれている。

 

(以下引用)
優しい大将と今くるよに似た奥さんのお二人でされておられましたが、大将は去年他界(涙)されて今は奥さん1人できりもりされています。いつまでもお元気でお店をつづけていただき、できればお子さんにもお店を継いでもらいたいものです。
(引用おわり)

 

 どうやらご主人が亡くなられた様子。それは貴重な情報だ。

 

 「百匹の猿現象」という言葉がある。
 ある範囲の中で、ある行動をする者の数が一定の量になると、その行動が距離や空間をこえて広がっていくとする仮説。
 米国の科学者、ライアル・ワトソンが理論化した。

 

 ある地域で猿が食べものを水で洗って食べ始めたところ、その数が一定を超えた時、遠く離れた場所でも同じように食べ物を水で洗う猿が現れたというエピソードが発端となっている。

 

 時と距離を超えて、見ず知らずの者が黒田庵の奥さんが今くるよに似ていると思う。そして、お子さんに家を継いでもらいたいと願う。
 これも、インターネットにおける「百匹の猿現象」なのかも知れない。

 

 その記事の日付は2004年になっており、もう5年前。今も奥さんが一人でお店を続けているのか、あるいはもう店をたたんでしまったか。ネットでわからないならば、この目で見に行くしかない。ずっとそう思っていた。

 

 1時間後には、その答えが出る。

 

 

高速1000円で行く東京-九州の旅日記


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