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2009年10月17日 (土)

首位と25ゲーム差で優勝するクライマックス

 日本プロ野球、秋の余興が始まる。

 集客難にあえぐNPBがご都合主義でひねり出した、戦いの本筋から外れた日本シリーズ予選。
 格式に則った競技はリーグ戦で終了して、そこからは秋の余興。

 余興だから、それを見たい人だけで楽しめばよいのだが、困ったことにクライマックスはリーグ戦のルールも変えた。

 クライマックスが始まった2007年シーズンから改訂。
「同率首位が複数チームとなった場合、当該シーズンの直接対戦成績で勝るチームが優勝」
 それ以前は当該チームによる、1試合限りのプレーオフだった。
 MLBは今でもそのルールであり、2009年にはそのプレーオフが行われた。
 クライマックス開催で、プレーオフの日程がとれないためにルールが変わった。

 その影響は2008年シーズンに出た。
 巨人が13.5ゲーム差を詰めて阪神に追いついた時点では、引き分け数に差があった。それでは勝率が同率にはならない。
 ところが10月4日、阪神がヤクルトと引き分けたことで引き分け数が3で並ぶ。
 これにより、シーズン終了時点で2チームが同率首位となる可能性が生まれた。

 2007年に改訂された現行ルールでは、阪神と巨人が同率首位となった場合、2008年シーズンの直接対戦で勝ち越している巨人が優勝となる。
 巨人にしてみれば、1勝をもらったのと同じ。
 この優位は互いの星勘定に大きな影響があった。

【 2007年 クライマックス競技方式 】
パリーグ、セリーグ共に同じ
第1ステージ、年間リーグ戦2位のチーム対3位のチーム(3試合 すべて2位チーム主催試合)
   ↓
第2ステージ、優勝チーム対第1ステージの勝利チーム(5試合 すべて優勝チーム主催試合)
・上位チームのアドバンテージは無い。

 リーグ戦優勝チームは、クライマックスシリーズの結果如何を問わず、優勝チームとして扱われる。これはその後も変わらない。

【 2008年 クライマックス競技方式 】
パリーグ、セリーグ共に同じ
第1ステージ、年間リーグ戦2位のチーム 対 3位のチーム(3試合 すべて2位チーム主催試合)
   ↓
第2ステージ、優勝チーム 対 第1ステージの勝利チーム(6試合 すべて優勝チーム主催試合)
・優勝チームに1勝のアドバンテージが与えられる。

2009年の競技方式は、前年と変わらない。

【 時系列の記録 】

2007年
第1
パリーグ ロッテ2-1ソフトバンク
セリーグ 中日2-0阪神
第2
パリーグ 日本ハム3-2ロッテ
セリーグ 巨人0-3中日

2008年
第1
セリーグ 阪神1-2中日
パリーグ オリックス0-2日本ハム
第2
セリーグ 巨人2+1勝 1敗 1分 中日
パリーグ 西武3+1勝 2敗 日本ハム
左側がリーグ戦上位チーム +1はアドバンテージの1勝

2009年
第1
パリーグ 楽天-ソフトバンク
セリーグ 中日-ヤクルト
第2
パリーグ 日本ハム-第1勝者
セリーグ 巨人-第1勝者

楽天、ヤクルトはクライマックス初出場。
クライマックス進出がかかった去る 10月9日、神宮は満員となった。
巨人戦でもガラガラの神宮がである。
ファンはシーズン終盤になっても、球場に足を運ぶ理由ができた。
優勝以外のチームにも陽が当たるこの制度は成功した。
あくまで、秋の余興として。

優勝した巨人と25ゲーム差のチームがこの後、優勝して日本シリーズに進むと、場当たり的な皆さんが何というか、この秋プロ野球の興味はそこに尽きる。

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