地元が反対しようが、つらぬかなかんて
9月16日
河村たかしは鳩山内閣発足についてコメントした。
「自民党は貴族の増税内閣だったから、庶民のための減税を目指す内閣をつくり、庶民革命をやってもらいたい」
河村たかしは民主党に籍を置く、元衆議院議員。
ようやく政権を手にした身内に期待を表明するのは、当たり前のことに見える。
だが、民主党が庶民改革の党だと認識しているならば、この言い方は少し違ったものになるだろう。
「民主党に政権を与えたコクミンの選択は正しい。後世においてあの時の選択は正しかったと言われるだろう」
くらいのヨイショがあってもいい。
河村は民主党の中にいて、この党の限界もよく知っている。
その上での期待感、せっかく政権を得てコクミンからチャンスをもらったのだから、期待に応えて欲しい、心からそう願っている気持ちがコメントからくみ取れた。
9月24日
河村たかしは、上京して各省を陳情して回った。
国交省では前原誠司国土交通大臣に対して、徳山ダム(岐阜県揖斐川町)の事業中止を要請。
前原大臣は岐阜、三重、愛知三県(の県庁)の意見も聞かなければならないと牽制した。
その後、3県の知事は前原大臣に事業継続を要望。
その動きに対して河村たかしは
「地元が反対しても、正しいことを貫けるかどうかが民主党の試金石」
とコメントした。
地元の反対に遭った途端に「地元にも生活がある」などと、今初めて聞いたようなことを平然と言うのは素人同然。
政権をとった途端に感覚が鈍り始めた民主党に、河村たかしの心は曇り始めているのだろう。
2005年9月、総選挙で小泉自民党が大勝。
民主党選挙敗北の責任をとり、岡田代表が辞任。
後任の代表選挙には、前原と菅直人が立った。
管と共に「報道ステーション」に出演した前原は、カメラの前で河村を鼻で笑っていた。鼻は笑い目が笑っていなかった。
その映像を見て、直感的に前原は河村をよく思っていないと推察した。
前原は2005年9月に初めて民主党代表に就任。
その半年後には「偽メール事件」の責任を取り、代表を辞任する。
この辞任は民主党にとってとても意義のあるものだった。
民主党の歴史で道義的責任をとって代表を辞めたのは菅直人、前原誠司、小沢一郎の3人。
そのうち「他人の責任」をとって辞めたのは前原だけである。
菅直人は「自身の年金未払い」、小沢一郎は「秘書の逮捕」いずれも自らまいた種だ。
政治的責任を取った岡田克也、道義的責任をとった前原は、責任をとらないことが責任であるというモットーの民主党では珍しい存在。
一方、河村たかしは「税金の無駄遣いだから委員長特権は要らない」と言ったら、民主党から責任を取らされて、委員長を辞めさせられた過去がある。
本人に相談も無しにである。
責任をとらない人
責任をとる人
責任をとらされた人
こうして注目していくと、一人一人の人物像が浮き上がり、さらに興味がわいてくる。
これも注目される与党ならではのことだ。
【 河村たかしを追っかけるがね 】 は、毎週木曜日に掲載しています。
河村たかしを追っかけるがね 目次
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