雨の有楽町
2009年11月11日
東京は夜半からの激しい雨。
傘を差していても、靴はじゅくじゅくに水に浸かり、ズボンは膝下までびしょ濡れ。
あちこちで鉄道が止まり、それを理由に遅刻するサラリーマンが大勢いた。
夕方にはやや雨脚は弱まったが、依然として傘は手放せない。
有楽町の駅を出ると
「陽水 チケット譲ってください」
と書いた紙をかざす若い女性が、ぽつんと立っている。
彼女はまだ大学生くらいの年齢に見えた。
東京国際フォーラム2daysを完売し、さらに武道館公演を追加してそれも完売してしまうという陽水の集客力。
その要因は、こうしたあらゆる世代に周知されているところにある。
「佐野元春って知ってますか?」
といっても、20台の人はほとんど知らないし、10台は壊滅。
だが、井上陽水はあらゆる世代に知られていて、そのスタンダードなヒット曲まで知られている。
かつて斎藤由貴がカバーして歌っていたことは知らなくとも、
「夢の中へ」はおそらく、日本人の間でもっとも知られていて、誰もが口ずさむことができる歌だろう。
東京国際フォーラムのカフェは、どこも満席
コンサート待ち、あるいは展示イベントの帰りか。
ほとんどの人がきちんとした服装をしている。
有楽町という町が持つ空気か、ガラス越しにみる彼らはどこかいかして見える。
17:30
ホールAの階段下では、ダークスーツに身を包んだホールスタッフの打合せが始まっている。
リーダーと思われる女性が、てきぱきと指示を出している。
早く着いた人が、陽水の看板に携帯のカメラを向けている。
「焦らんでも、席はきまっとるけんね」
ご婦人が旦那に言う。九州から来た人だろうか。
17:45
ホールAのおきまり、階段から降りて右に折れた場所に整列が始まる。
今日はヨコ8列
「若い人いないね」
そう奥さんらしき人に言っているのは 推定55歳の男性
「これっていくらなの?1万円くらい?3000人として3000万かぁ、安いね」
口には出さないが、奥さんは連れてきたことを後悔しているだろう。
17:59:39
開場
係員にいわれた通り、チケットに折れ目をつけておいた。
手荷物のフタを開けて見せようとしたが、手荷物チェックは無し。携帯カメラ全盛の今、あまり実効性のない儀式だけに、これは賢明だ。
階段を上ると左手にCD、DVD、書籍
お目当てのTシャツは右手に販売コーナーがあった。
リハーサル中とのことで、まだホール開場。
上階にあるホールAからは「Love Rainbow」が聞こえてくる。
陽水の声なのか、それともCD音源なのか。
そんなことよりも、Tシャツの確保を急いだ。
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