「いっそセレナーデ」には、誰も逆らえない
●少年時代
ピアノとギターのシンプルな演奏では、初めて聴く「少年時代」
この曲は映画「少年時代」のエンディングのために書き下ろされた・・・
ということを この夏NHKで放送された「LIFE井上陽水40年を語る」で知り、DVDを借りることにした。
まずTSUTAYAの店頭所蔵を検索すると、最寄りの店には元々、在庫すらない。
つづいてTSUTAYAディスカスで検索。所蔵はあったが、本数がとても少なく、予約リストに入れてから届いたのは3ヶ月後だった。
「少年時代」が最後に流れるまでの展開がインタビューで明かされていたので、この曲にどうつながるのかを想像しながら鑑賞する。
エンディングの曲に向かって、謎を解いていくというのは これまでにない体験。
そして、いよいよラストシーンにピアノの前奏が重なる。
言葉を紡ぐのが面倒な人たちがつかう キタ~~~~~
を打ち消すのに必死だった。
どうやら、この曲がコンサートのエンディングになっている様子。
袖に下がる陽水
時計を見ると 20:43
あっという間の 1時間36分
ここまで 終始座ったまま聴いてきた我々は、引き続き座ったままでアンコールの拍手を送る。
それを遮るように音響が鳴り、ステージ奥の電飾箱にスイッチが入った。
そこでぴたりとアンコールの拍手がやみ、人びとは流れる映像に注目する。
しばしの時が流れ、さぁ再びアンコールの拍手を始めようかという時、メンバーが左手の袖から現れた。
列の最後に シャツを着替えた陽水。
今度はもう皇帝には見えなかった。
アンコール
●アジアの純真
ステージで聴くこの曲は圧倒的な開放感がある。
視界のすみっこに、ちらほらと立ち上がる人影が見える。
●Love Rainbow
このツアーの前半では、女性コーラスを一般公募していた曲。
ツアー後半は、Rie fu を初めとする 3人が その任に当たっている。
最近は女性と歌うことが大切なので・・・
そのまんまの意味なのだろうが、最後まで陽水のMCは天の邪鬼なトリックスターのもの。
●夢の中へ
満面の笑みに包まれる。
コーラス・ガールズも満面の笑み
これまで何百回となく、レコードの陽水とこの曲をはもってきた。
今日は 7mの距離で陽水と歌う「夢の中へ」
座ったままでも、陽水の姿はこの目に大きく映っていたが、この曲で立ち上がらずにはいられなかった。
いったん、メンバーをステージ中央に集めて紹介する陽水。
ファンの「まだ帰さないぞ」という拍手が圧力を強める。
陽水は 左袖のスタッフに向かって 「いいかな?」というように首をかしげて目で合図。
立てる指の本数を変えて「1」「5」のサインを送る。
ブロックサインか?
●いっそ セレナーデ
再び、観客は静まり、ロマンティック陽水の世界に沈んでいく。
暑かった夏の一日を、波が静かに冷ましていくよう。
だが、この曲を前にして「もっと、熱いのを頼むよ」と言える人はいない。
21:10
「皆さんの幸せだけを考えています」
何度もそう言った陽水
推定20代の男性が、紙袋にはいったプレゼントを持ってステージに駈け寄る。
どの年代からも満遍なく集客しているのが、陽水の特徴とみた。
陽水は少し迷ったあと、受け取る
すると手ぶらのおばさんが出てきて、手を差し出したがすぐ引っ込めた。
ステージ前に来れば握手してもらえると思ったが、はたと我に返ったようだ。
陽水が「さようなら」と手を振りながら、舞台左袖にさがっていく。
皆が座ったまま、拍手で見送る。
"前の人が立つから仕方なく"
ではなく、立ち上がった。
一人スタンディングオベーション
回りや後ろの人が立つかは、もう関係ない。
陽水が見えなくなるまであと数秒。
"陽水 ありがとう"
彼の背中に叫んだ。
初陽水
長く心に刻まれる一日になった。
今年の「しらべるが選ぶ5大ニュース」の一つはこれで決まった。
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