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2009年12月 4日 (金)

ハーモニカを投げる陽水

●クレイジーラブ
 陽水は相変わらず「なにも考えてきませんでした」と言わんばかりの、大ボケMCに終始している。
 そして、決めぜりふは
 「みなさんの しあわせだけを かんがえています」

 これは何かのパロディなのか
 あるいはコアなファンにはわかる、陽水のエピソードに関連したギャグか
 なぜ今、陽水が皆さんの幸せを願うのかがわからない。
 それも 幸せ「だけ」に深い意味があるかにみえる。

●限りない欲望
 1stアルバム「断絶」に収録された曲。
 子供の頃に聴いた、この歌の中で子供が詠う心情は、少し大人びてみえた。
 子供の頃、煩悩は心の中に隠していた。
 誰に言うのも恥ずかしく、言えば人間をみられると思っていた。
 それをこの歌は告白している。

 大人になる。
 大人から大の大人になる。
 その起点は、告白なのかも知れない。

 記憶力が最高潮だった年頃に聴いた歌ゆえ、歌詞は完璧に暗記している。
 もっと大きな声で一緒に歌いたかった。

●氷の世界
 ついに、客席が立ち上がった。
 いつもならば、前の人が立つから仕方なく立つのだが、今日だけは待ってましたと僕も立つ。

 陽水はギターを置いてロック歌手のように歌う。
 間奏ではマイクから向かって右手へ踊りに行く。
 ロック調変形社交ダンスとでも言おうか。
 左手にいる僕は、こっちにも来て欲しいと思う。
 だいたい、歌い手というのはどちらかに偏っていて、満遍なく左右に来てくれる人は少ない。
 どうやら、陽水は客席から見て右手へ行く人のようだ。

 さっきから、右手になにか握っている。
 小さくて見えないが、光っているので 恐らくハーモニカ。
 まさかさっきの間奏で吹くのを忘れて、踊りに行ってしまったのかと思ったら、二度目の間奏で吹いた。
 吹き終わると、それを右手の客席に放り投げる。
 まさか、投げるとは思わなかった。

 佐野さんがビジターズツアーでスティックを投げたところ "プロモーターから、危険だから以後は投げないように" と釘を刺されたという話を聞いた。
 久しぶりにステージから、モノを投げるのをみた。
 あのハーモニカ。キャッチした人が羨ましい。

●最後のニュース
 陽水がこの曲を歌っているのをテレビで何度か見たことがある。
 その度に思っていた。
 よく歌詞を間違えないで歌えるものだ。
 名前は書かないが、彼ならばこの曲はライブではやらないだろう。

 リフレインがなく、現代国語の教科書 2ページ分くらいはありそうな歌詞。とても覚えられない。
 陽水は持ち歌を完璧に覚えているのか。
 その答えは次の本にあった。

 「井上陽水全発言」
 家に友達が来て、一曲やんなさいよとなった時「心もよう」くらいしか覚えていない。せめて10曲くらいレパートリーがないとまずいですよ。

・・ということは、コンサートツアーに入る前、歌の練習をしながら「あぁ、こんな歌詞だったな」と思い出すのだろう。

 同じ本の中でこの曲について陽水はこう語っている。
 「原子力とはフロンとか、以前から使いたかったけど なかなか使えなかった言葉がずいぶん使えて、便秘がすっきりしたみたいでした」



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