生還 ポルトガルW杯出場決定
前回2006年W杯ドイツ大会の予選では、プレーオフに回らずグループ1位で予選通過を決めた。
2005年10月8日 home
ポルトガル 2-1 リヒテンシュタイン
グループ1位確定
得点 パウレタ(49分)、ヌーノ・ゴメス(86分)
2009年11月18日
欧州予選プレーオフ第2戦
1年3ヶ月にわたって戦ってきたW杯予選が、今日終わる。
デコにとって 2度めであり、恐らく最後となるW杯の出場機会。
もしも、敗退ということがあれば、どれだけ悲しみに暮れていいか想像がつかない。
現状はポルトガルに旗色がよい。
ボスニアは第1戦でイエローカードを受けた主将のエミル・スパヒッチ、サミル・ムラトビッチ、エルビル・ラヒミッチの3選手が累積警告で出場停止。
一方、ポルトガルは第1戦でデコがイエローカードを受けているが、出場停止には至っていない。
怪我で欠いているのは、第1戦同様ロナウドとボジングワの2人。
相対的にみれば、第1戦よりポルトガルのほうが陣容が整っている。
ただし、イビチャ・オシムが言う「主力がいない時こそチームは一体になる」ということもある。
なにが起こるかはわからない。
油断は禁物・・・ だが、W杯が懸かる最終戦のグラウンドに居て、そこで油断している選手など一人もいないはずだ。
試合前、ブラゼヴィッチ監督は「ポルトガルを驚かせるような戦略を採用する」と語っている。
それがどんな戦略だったかは、未だによくわからなかった。
第1戦で負傷したデコは、なんとベンチスタート。
ロナウドもいない。デコもいない。
主力を欠くという点では、両者イコール条件となった。
グラウンドは まるで田んぼのようなコンディション。
かつて、バルセロナのパス回しを封じるために、チェルシーがスタンフォードブリッジを臨時の田んぼに変えたことを思い出させる。
地を這うパスで、ゲームをつくるポルトガルには不利な条件だ。
後半11分、ナニが右側でフリーとなっていたメイレレスへ砂糖でまぶしたようなパスを転がす。
ゴール枠左側が大きく空いているが、コースにはGKがいる。
平凡な選手ならば、ここで狭い右側に強い玉を蹴ろうとする。
だが、メイレレスはその逆をつき、その道しかないというルートに 地をはうようなボールを乗せる。
左へのシュートを予測して重心が左足に乗っていたGKは一歩も動けず、ボールが通り過ぎた後に、つんのめることしかできなかった。
78分、イエローカードを受けたセヤド・サリホビッチが審判に抗議。
1分後、審判は抗議に対して2枚めのイエローカードを出して退場。
これで10人対11人
その1分後、シマンと交代でデコが出場。
そのまま、1-0のリードを保ち、試合を仕上げた。
予選序盤に 1勝3分け1敗と 大きく出遅れながら、その後1分けを挟み6連勝。
「20」だったデコが「10」を背負ってから、チームは一気に上昇気流に乗り、W杯出場を勝ち取った。
薄氷
首の皮一枚
綱渡り
大逆転
成否の縁をさまよう際につかう、あらゆる描写がポルトガルに似合う。
世界中で最後の日に出場を決めたポルトガル。
わずか、2週間後には抽選会がやってくる。
ぜひとも日本と同組になってもらいたい。
日本との対戦であれば、必ず地上波で生中継がある。
そうすれば、全国のサッカーファンにデコの姿を見てもらえる。
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