「作りが小さめです」という2cm大きいナイキの靴
TOTAL MAX SC
SCは Sports Classic
ナイキが過去モデルを復刻する時、末尾につける商品コード。
AIRMAXを復刻した場合、AIRMAX SC となる。
アッパーからミッドソール、アウトソール(靴底)まですべて黒。
これならば、仕事で履いてもおかしくない。
それどころか、かなりカッコイイ。
数量限定のため抽選販売となっていたので、店頭で応募した。
どきどきして待っていたが、外れた。
そこで、パソコン通信の「売ります・買います」へ
当時、ヤフオクはまだない。
そのプロバイダーのユーザーだけしか出入りできないので品数は少ないが、安心感はあった。
TOTAL MAX SCは、既に前シーズンにも売られており、プレ値で売りに出ているのが見つかった。
38,000円
元値よりも 23,000円高い。
しかもサイズが 28.0cm
ナイキの靴を初めとしてスポーツシューズは、標準的な靴よりも 2cm大きいものを選ぶ。
なぜ、そうなのかはよくわからない。
初めて、ナイキの靴を買った時のことだ。
テニスを始める際、知人のスポーツ店に靴を頼んだ。
高校時代にやっていたスポーツは弓道なので、靴が要らない。
ゆえに、生涯初めての特定スポーツ専用設計の靴である。
サイズが靴によって違うなど、疑うことはまだ知らない。
いつも履いている靴と同じ 25.5cm で取り寄せてもらう。
とても小さかった。
テニスの練習に行くと、靴を履くだけで5分かかった。
ようやく足を靴に詰め込んで、1時間もテニスをすると足は鬱血して悲鳴をあげた。
それでも、専用のスポーツシューズとは、こういう苦行を伴うものなのだと考えていた。
コレクターデビューとなった NOMO MAX を買った時も、初めに 26.5cm を買い、まったく足が入らないので、慌てて店に引き返し 27.0cm と換えてもらった。
それでも入らないので履かなくなり、27.5cm を買い足した。
靴のサイズは cm とは別に、US、UK などの表示がある。
27.5cmの場合 US9.5
27.0cmの場合 US9.0
コレクターの間では、cm ではなく「ゆーえすきゅー」のように US表示で言うことが多い。
それも、なぜだかわからない。
コレクターの先輩たちが、アメリカ大好きだったのだろう。
いつもは US9.5 なので、US10 は大きいのではないかと思います。
9.5だったら買うのですが・・・
「売ります・買います」では、商談成立までに、メールのやりとりをするのが常。
ヤフオクのように信用確保が制度化されていない頃なので、こうしたやりとりの中で、信頼できる相手かどうかを探る。
「知人はいつも 9.5ですけど、このモデルの 10を履いてますよ!」
「作りが小さめですから、大丈夫だと思います」
靴バイヤーの世界では 「作りが小さめです」 は、危険な言葉である。
確かに靴は、モデルによって大きさが違う。
買う側はそれを知っているだけに、この言葉に弱い。
だがこの「小さめ」というのは、何が小さめなのかが曖昧だ。
一般の人ならば、それは「長さ」を言うものと考えるはず。
しかし実際に、靴バイヤーが言う「小さめ」には
・靴の長さ
・靴の横幅
・靴の高さ
いくつかの要因がある。
結果的に「作りが小さめ」だったはずのTOTAL MAX SC は大きすぎて、
1年後、 8,000円で友人に引き取ってもらうことになった。
つづく
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