東京マラソンの誇り、苦い思い出
35km
築地を左折したところで、近所の飲食店が暖かい飲み物を配っていました。
翌日のバラエティ番組で 「おにぎり 1500個と、みそ汁を振る舞った」ことが 取り上げられていました。
個人のお店で 1500個のおにぎりは大変な量。敬服します。
さすがに、遅いランナーにおにぎりは残っていませんでしたが、みそ汁には多くのランナーが立ち止まっていました。
ここからはお台場エリアに向けて いくつかの橋を渡るために、アップダウンが続きます。
去年は 入り船橋の手前で、沿道からロッキーのテーマが聞こえてきました。
ランナーは 音楽を聴かずに走っている人が大半。
そういう人にとって、沿道で音楽をかけてくれる応援はありがたい。
ランナーの多くは歩いていて、勇ましいロッキーのテーマにそぐわぬ体たらくに、皆 苦笑いでした。
毎回、マラソンレースは音楽を聴きながら走っています。
音楽とテーピングは、ど素人マラソンには欠かせません。
入船橋の信号を右折すると、道路は上り坂。
最大の難関とされている佃大橋。
確かにここの上りが最もきついです。
99%の人が歩いていました。
統計を取ったわけではないですが、自分以外に走っている人がいなかった・・・。
上り坂の橋がウォーキングの人で埋まっているのは異様な光景でした。
ここは、歩かずに走り通すための最大の関門と言えるでしょう。
ただし、この橋に備えて、日頃坂道を上る練習をしていた人にとっては楽勝です。
橋をいくつか渡り、豊洲二丁目の信号を過ぎても、応援が途切れることはありません。
新宿、銀座や浅草で応援してくれた方は、おでかけの "ついで" が多いですが、ここ臨海地域で応援している皆さんは、わざわざ応援のために来た方が多い。
かける言葉が具体的で、思わずにっこりします。
40km
あと 2km より、あと*km表示が始まります。
首都高速湾岸線を立体交差するため、りんかい線「国際展示場」駅のところに登り坂。
これで坂は終わり。あとはゴールまでフラットな道。
道路を左折、右折する度、歩道から大歓声が飛ぶ。
最後になって、縁起でもないですが、マラソンではゴール間際がもっとも突然死の多いところ。
無理なラストスパートが原因です。
最後だけでも全力疾走しようという気持ちはわかりますが、ほどほどにしましょう。
去年はメダル、タオル、バナナ・・を受け取った先に、久光製薬の皆さんが待っていて、エアサロンパスを1缶くれました。
これを、その場で1本使い切りましょう。
おかげで翌日、筋肉痛ゼロでした。
それだけ追い込むこともできずに、レースが終わった・・ということでもありますが。
ゴールには4万個のおにぎりが用意される
と報道されていましたが、探しても どこにも見あたりませんでした。
ランナーは3万人なのに、いったいどこへ消えたのでしょう。
無性におにぎりが食べたくて、ビッグサイト内のコンビニに寄りましたが、今日で閉店かと思うくらい、棚は空っぽでした。
30kmを過ぎてからの終盤、顔をしかめ、歩きたいという欲求に打ち勝ったレースは、長く誇りの気持ちが続きます。
「自分はこんなものだ」と歩いてしまったレースは、長く苦い思い出として残ります。
東京マラソンに出場する皆さんのご健闘と、当日の好天を祈ります。
明日は 「読むだけで10分速くなる方法」
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