500系ラストラン 西へ消える戦闘機
2月28日は、新幹線500系のラストラン。
正確に言うと 500系が「のぞみ」号で走るラストラン。
それは、すなわち16両編成で走るラストラン。
今後は、中間車両を減らして 8両編成となり、 JR西日本管内の山陽新幹線で「こだま」として走る。
ということで、東海道新幹線(東京~大阪間)のラストランである。
16両でも8両でも、要はあの戦闘機のような先頭車両がある限り、500系には違いない。
ただ、関東ではもう見ることができない。
ラストランは日曜日。
まずは、最終日を休日に設定してくれたJR各社に感謝したい。
もしも、これがウィークデーだったら、そのために会社を休んでしまうくらい気合いのはいった「鉄ちゃん」「鉄子」と「撮り鉄」しか、見送ることができないところだった。
初代新幹線の0系が東海道を引退したのは、1999年9月18日。
その日は土曜日だった。
東京駅のホームは、たくさんの新幹線ファンで埋まり、駅員さんの仕切りによって、代わりばんこに先頭車両の写真を撮った。
長い間のご利用ありがとうございました
0系
最終運転日 平成11年9月18日
先端のまるいカバーには、ラストランを記念する文字が書かれていた。
日本初の陸橋「馬込陸橋」をゆっくり西へ下る500系
さて、2月28日の 500系ラストラン。
JR東京駅には、出発を見送ろうという新幹線ファン 約1,500人が集まった。
2月にはいってから、撮り鉄が電車を止める事件が2度続いたため、JR東海はラストランの28日には、ホームの警備を強化すると発表していた。
0系の時は東京駅で見送ったが、今回はいつもの撮影ポイントで見送る。
ラストラン前日の土曜日は、撮り鉄仲間は 2人だけだったが、この日は10人ほど。
ラストランのダイヤは、のぞみ29号(下り)東京発12:30
先行して通過した電車でテスト撮影。
置きピンで焦点をマニュアルに切り替え、いよいよ500系の到着を待つ態勢に入った時、JR東海のネームがはいった警備会社のクルマが停まった。
警備会社の社員らしき人が降りてきて、撮り鉄たちを見渡す。
一瞬、緊張が走る。
「危ないですから、そこから、どいてください」
などと言われた日にはたまらない。
目を合わせぬよう、なおかつ、涼しい顔をつくり、善良なカメラマンであることをアピール。
20秒くらいの時が過ぎただろうか。
警備員は再び、運転席に戻り、次の巡回地点へと去っていった。
「来たぞ、500系」
家族連れのお父さんが、叫ぶ。
日本の新幹線は世界一、時間に正確だ。
言われなくても、時計を見ればわかる。
落ち着いてもらいたい。
ラストランはやはり、西に向かう最後尾の赤いテールランプを押さえなければならない。
0系の時のような、特別な装飾はなく、いつも通りの500系は、戦闘機のような低い音を残して東京から居なくなった。
カメラを首から提げて帰路につくと、通りがかりのおばさんに声をかけられた。
今日なにか通るんですか?
500系が今日で最後だったんですよというと、あぁ今日だったんですね。
と言うコトバが返ってきた。
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