[CC:] と「ML」を禁止したら会社はうまくいく!
現代企業のガンは[CC:]と「ML」である。
風土のよい企業も、ある程度ダメになる。
ダメな会社は、悲しいくらいにダメになる。
この2つを禁止したら、会社はうまくいく。
わかっている人には、もうわかっているはずだ。
電子メールが会社で連絡手段として使われるようになったのは1997年頃。
それが2000年代に入ると運用の主役となる。
電子的な決済のしくみ「ワークフロー」を導入していない会社では、メールが決済手段である。
ワークフローを導入している会社でも決済の前段階、報告・連絡・相談はメール。
面と向かって言えばすぐ済むことも、証拠として残すためにメールを使う。
メールが主役になった現代では、社員は責任が重くなるにつれて、メールが増える。
責任が重くなるというのは「役職が付く」「いくつかのプロジェクトに入る」こと。
この2つに該当しない人のメールは増えない。
責任が重い社員には、一日に百通を超えるメールが届く。
ただし、自分のメールアドレスにマンツーマンで来るメールはほんのわずか。
その大半は[CC:] 「ML」「グループ転送メール」である。
MLやグループのアドレスは project@mail.com
のようになっていて、個人名はどこにも出てこない。
「ML」「グループ転送メール」では、誰と誰がメンバーなのか、誰もわかっていないのである。
自分が出しているメールが、誰に届いているかをわからずに出しているのだ。
誰がこの案件の決定権者か?
誰がこの案件の実行者か?
オブザーバー(発言権のない参加者)は誰と誰か?
これらのことを、誰もわかっていない。
誰がやっているかわからないで、仕事をしているのだ。
日本では古来からこういう状態を「顔が見えない」と言い、あまりよくないこととされている。
この問題のキーワードは、メール本文の一行目にある。
「ご担当者様」
「各位」
人を特定していないのだ。
実は、ご担当者が誰なのかを知っている人もいる。
だが、個人名で書くと「仕事を個人の属性と紐づけるな」とのたまうアホがしゃしゃり出てくる。
「オレがやるのかよ」と切れる人も出てくる。
実はそこは、顔が見えていない会社ではない。
顔をみてはいけない会社なのだ。
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