愛する人に本を贈る日 サンジョルディ
きょう 4月23日 はサンジョルディ
欧州サッカーの人気クラブチーム「FCバルセロナ」がある スペインのカタルーニャ地方で生まれた風習。
スペインではこの日、男性から女性に赤いバラを贈り、女性から男性に本を送る。
ドン・キホーテを書いたスペインの作家セルバンテスが、この日に亡くなったことにちなみ「本」なのだろう。
男女で贈り物を交換する日なので、日本では「サンジョルディ愛の休日」と表記している商業団体もある。
「本」というところに、日書連(日本書店商業組合連合会)が目を付けた。
1985年4月23日に向けて、本屋さんのバレンタインデーに育てようということで、キャンペーンが行われた。
販売会社(通称:取次)と版元が、全面的に協力してキャンペーンの周知に注力。
書店も店頭にポスターを貼って宣伝した。
熱心な書店の店主や外商部の社員は
「彼女、彼氏に本ば、送らんね」
「彼氏、彼女に送ってもいいとよ」
といって、顧客に声をかけた。
だが数ヶ月後、販売会社や版元の会議で
「サンジョルディによって、この四半期の売上げは前年比10%アップでした」
といった成果が語られることはなかった。
一年後、この日がサンジョルディであることを記憶している人は、ほとんどいなかった。
毎年こつこつと続けるという業界の意欲もなく、そのまま尻すぼみ。
毎年、この時期になると、書店の店頭がサンジョルディ一色・・
という事にはならずじまい。
日書連が仕掛けてから10年後の1995年、ユネスコが4月23日を「世界本の日」に定めた。
もうその頃、この日付とサンジョルディをリンクして想起できる人は、業界にすら少なかった。
さらにそれから5年後の2002年、日本では4月23日を「こども読書の日」に指定した。
文部科学省の肝いりと、関連する特殊法人の仕掛けである。
そして今年 2010年 ・・・
特に何事も起きていない。
図書館の壁には「こども読書の日」を周知するポスターが貼られている。
何店か見て回った書店の店頭に「サンジョルディ」の文言を見つけることはできなかった。
サンジョルディ
この日、男性は女性に「赤いバラ」を贈る。
この日、女性は男性に「本」を贈る。
赤いバラが本になっても構わないが、本が赤いバラになるのは、いただけない。
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