レース中の緊急動議
入りの1kmは 7分20秒から始めて、1km毎に10秒ずつ上げていく。
そして、6kmから 6分30秒のレースペースに乗る。
これが今回、長野マラソンでの計画。
5時間制限ぎりぎりの挑戦のため、本当ならば初めからレースペースに乗りたいところだが「息ができる」5kmまでは我慢しようと決めている。
ところが今日の予行演習、ふと気づくと 3kmめは6分30秒、4km、5kmは6分8秒で走っていた。
この誤算はよい教訓となり、本番ではしつこいくらいGPSフォアアスリートの「現在のペース」データを確認することにした。
「時計を見ないで走ったほうがよい。そうすればペース感覚が身につく」
と書いてある本があるが、欲しいのは「ペース感覚」ではなく「長野マラソン完走」の勲章だ。
川崎ハーフのコースは全体の95%が未舗装路。
いつもはアスファルトの上を走っているので、走りづらいのでは?と思っていただが、いつもと変わらなかった。
柔らかい路面は反発力が低いので足には優しい。
だが、その分だけ強く蹴らないとスピードが出ない。
結局プラスマイナスゼロ。
未舗装路だから記録がいい、悪いといったことはない。
右手には「LG21」の空きボトルにスポーツドリンクを入れたものを握っている。
マラソンではいつも第1エイドまでの給水用に持ってくる。
第1エイドでそのボトルを捨てて、あとは各エイドのお世話になる。
ところが、第1エイドに着くとランナーが行列していた。
人出が足りずに準備が追いついてないのだ。
幸い、手元のボトルにはまだ半分の残量があったので、エイドをパス。
その後もエイドの供給が不安のため、結局このボトルは15kmエイドまで握っていた。
今回あらたに試行するのは、30分に一度の自主給食。
終盤の失速は、脳が「危ないからもうやめときなさい」とカラダに指示を出していると推定。
それならば、脳にその指示を出させないよう、これでもかと食べ続ける作戦。
30分はパワーバー、60分、90分はカーボショッツを摂る。
これが奏功したのかは、ハーフの距離ではわからない。
ただ終盤まで満腹感が続き、エネルギー供給は十分。
朝、鹿島田の駅を下りた時には、帰りは吉野家で牛丼を食べて帰ろうと思っていたのだが、とても食べる気がしなかった。
予定より早く3kmめからレースペースに入り、そこからは「キープ」に移行する。
手元のGPSデータを見て、6分20秒ペースで走っているランナーを見つけては、ペースメーカーを任じて着いていく。
そのランナーがペースを上げていったら、また次のペースメーカーを見つける。
その繰り返し。
これは、本番に向けていい演習になった。
ここに走りに来ている人には、アスリート系の男性、そして淡い色の可愛いウェアで決めた女性が多い。
ハーフとフルでは、明らかに客層が違っている。
フルではぐっと年齢層が上がり、男性比率も上がる一方、体脂肪率は下がる。
フルを難なく走りきるには、とにかく軽くないといけないのだ。
12kmまで 6分20秒を刻んできて、残り10kmを切った。
体力はあり余っている。
だが、今日の主眼はフルマラソンの演習。
ハーフの記録ではない。
・・という冷静な見識は否定され、とりあえずもうちょっと・・という提案が通る。
徐々にペースを上げて 16kmは6分2秒。
21.1kmで終わりなので、もうあと5kmしかない。
再び、新たな動議が提出される。
「目標は2時間15分だけど、2時間10分切っておいたら自信になるんじゃない?」
動議は即、本会議を通過。
ラップを5分台に上げた。
5分40秒
5分38秒
5分12秒
5分9秒
スプリットブレスレットをにらみながら、2時間15分ペースの上に貯金を重ねていく。
もうペースメーカーは要らない。
周囲の誰よりも速く走っているので、およそ200人を抜き、1人も抜かれない。
こんな爽快な気分を 長野マラソン本番でも味わえたら・・
そんな希望の光が心に点る。
残り2km
ランシャツ・ランパン、いかにもアスリートな二人組が目の前に見えた。
どうやら1人が膝を痛めているらしく、ペースを落としている様子。
僕のようなど素人が、抜いていいものかと一瞬躊躇したが、ここまで来たら2時間10分を切りたいから、すみませんと心で詫びて抜く。
さすがに「あと1km」表示からは遠く、必死の形相。
左折して古市場河川敷グラウンドに入ると、トラックを1周してゴール。
最終コーナーをラストスパートに入った時、件のアスリート二人組が追い抜いていった。
さすがに、素人に抜かれたままでは終われなかったのだろう。
ラスト1kmは 5分3秒
ゴールタイムの目標はクリアされた。
ペットボトルを受け取ると、すぐに記録証発行テントに並ぶ。
この迅速さは「かすみがうら」以来だ。
ただし記録は「順位」「ゴールタイム」のみ。
5km毎のラップはなかった。
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