善光寺 いただきのくだり
5km
このあたりで鳴っていたはずの「A fair wind」Char を覚えていない。
これで5回、音楽を聴きながらマラソンを走ってようやくわかった。
心に届かない曲があるのではなく、心に届かない時間帯があるのだ。
「A fair wind」は爽やかで軽快。初マラソンから5回連続で入れている数少ない曲の一つ。
それが今回は聞こえなかった。
この地点で苦しかったことが後になってわかる。
第1エイドは持参のボトルがまだ残っているのでパス。
過去のデータでは、エイドに寄れば10~20秒のロスタイムがある。
今日は秒単位で切り詰めるレース。
少しでもタイムを節約する。
5.2km 第1関門(号砲から48分で閉門)
今回唯一、意識していた関門。
入り5kmをスローペースで入り、ロスタイムが10分あると45分になる。
制限時間の48分まで3分しか余裕がない。
右手に貼った関門表を見たのはここが最後になった。
イトーヨーカドーの先を左折すると、善光寺前「大門」交差点までの上り。
ここが長野マラソンの最高地点。
練習で高低差ランを積み重ねたお陰で、今回苦になる上りはなかった。 *写真は大門交差点から臨む走行方向に向かって逆向きの図
6km
5.5kmで 昨日歩いた大門の交差点。
振り返って善光寺に「行ってきます」と挨拶する。
カメラを取り出す人は1人も居ない。
ここは観光マラソンではない。レース中、風景写真を撮っているランナーを見かけたのは1人だけだった。
*写真は前日撮影 ランナーは右手から来て、手前に下っていく。
■今日のレース計画
ロスタイムは10分で計算に入れておく
1km~5kmまでは、7分20秒から始めて 10秒ずつ詰めていく
6kmからは”6分30秒以内”のレースペース
これを25kmまでキープ
30kmまでは、ペースダウンを6分45秒までにとどめる
35kmまでは、7分00秒以内で持ちこたえる
そしてゴールまでは、7分30秒以内で粘る
これで4時間58分
制限時間まで2分しか予備はない。
川崎ハーフマラソンを走った実績から、25kmまでのプランは実現できる確信がある。
だがそこから先、答えは風の中。
大門の交差点から、一気に下り。
コース中この下りはもっとも長い。
前日決めていた通り、ここは「いただき」の下り。
セーブせず、思い切り下っていく。
足にくるとか、膝に負担がかかるとかお構いなし。
この日のために、全力下り走で膝を鍛えてきた。
毎日、30階建てビルの階段を上ってきた。
ハイタッチはマラソンの大きな楽しみ。
去年の東京では700人とハイタッチしたが、今回は最小限で我慢。
レースに集中すると決めている。
まだ心の余裕があるうちにと思い、ここで手を出している子供たちとハイタッチ。
7km
7.4kmの第2エイドもパスして、マイボトルで給水。
ウォークマンからは「RUN」レミオロメン
♪走り続ける意味はあるか
疑うのはラクだろう
信じるほうが難しいだろう♪
走っている時に聴くには、自虐的な歌詞なのだが、不思議とまぁそうなんだよねぇ、でもなんだか走っちゃうんだよなぁ・・と淡々とした気分になれる。
8km
下半身が怪しい。もぞもぞする。
まさか尿意か
ロスタイムで得た貯金"虎の子の4分"は、トイレなんかに使えない。
否定して意識をそらす。
尿意があるからと言って水を飲まないというわけにはいかないので、いつも以上に給水で飲む量を減らす。
9km
片側一車線の道を、道幅いっぱいに使ったコースがつづく。
このあたりの雰囲気はかすみがうらに似ている。
周囲のランナーとの間隔も十分あり、走りづらくはない。
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