世界一、右左折が多いマラソン
1km
始めの1kmは何度走っても落ち着かない。
どのようなレースになるのか。
今日の体調はいいのか。
何もかもが手探り。一つ一つ片を付けていく。
GPSが1kmを知らせるアラームは、Xブロック先頭位置からの1km。
沿道の距離表示とはずれがあるが、それは気にしないことにした。
レース中大切なのは「現在のペース」と「累計した目標ペースとの対比」だけである。
後ろから人垣をわけるようにして、白い物体が近づいてきた。
Qちゃんだ。
オバケのQちゃんではない。
そうとわかると、一斉にランナーがハイタッチを求めて駆け寄る。
間近で見ると、まるでアイドル
「かわいい」
「かわいい」
誰もがそう口にする。
「まんぞく~ 今日は俺もうこれでいいや」
ハイタッチできたランナーが萌えている。
完走と関係のないことはしないと決めていたが、思わず駆け寄る。
しかし、Qちゃん速い。
近寄る前に、あっという間に見えなくなってしまった。
2km
長野マラソンのコースは、実によく曲がる。
世界一右左折が多いマラソンとして、ギネスブックに載ってもおかしくない。
こうして、コースの先が見通せないのは精神的にとても楽。
走りやすい。
人は曲がる時に闘争心にスイッチが入るようで、カーブを抜けると気分が新たになるのである。
3km
ウエストポーチが揺れる。
スポーツジェルを8つも入れているからだが、練習で入れて走った時には揺れなかった。
ポーチを腰骨の位置に押し下げるようにして揺れを止めるが、しばらく走るとまた揺れ始める。
この繰り返しはスポーツジェルが3つ減る1時間30分まで続いた。
ウォークマンから「キセキ」GREEEEN
今日は音楽がしっかり聞こえている。
心を落ち着ける曲が終わり、ここからテンションを上げる曲
いよいよだな
今回、特にお気に入りの12曲は、終盤の追い込みポイントでもう一度登場する。
この曲もその1つ。
レース終盤、この曲をどういう気持ちで聴くかな
4km
善光寺が遠い
喉が渇く。
右手に持っている給水ボトルで、ちびちびとアクエリアスを摂る。これから先、マラソンの回数を重ねても、このボトルは外せない。
調子がいいのか悪いのかわからない。
しつこいくらいにGPSをみて、現在のペースを確認する。
GPSは1kmごとにラップボタン押さずに済む。
これは本当に楽。
3度めのマラソンまでは、距離表示の看板ごとに几帳面に[LAP]ボタンを押していた。
しかし、看板は出ていないことがある。
置き場所が間違っていることもある。
自分が見落とすこともある。
風で倒れていて見えないこともある。
看板を相手にするのは、大変なストレスだった。
GPSをレースで使うようになってからは、レースに集中できるようになった。
善光寺までは細かい上り下りがある。
コースビデオで高低差を見ておいてよかった。
初めてのコースは、不調に陥った時、歯止めがきかない。
こんな坂もあるのか、まだゴールは見えてこないのか
「フラットなコース」と言っておきながら、意外と上っているじゃないか・・・
コースに虐められているような気がしてくる。
長野マラソンのホームページには、前回大会を実走した車載カメラの映像が公開されている。
これは、大変に役に立った。
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