岩野橋の第7関門
しらべるが行く1700話
2005年9月からの連載が1700日になりました。
いつも読んでいただきありがとうございます。
34km
マラソンを走っていると、突然目の前を人が横切ることがある。
犬や猫が横切ることは滅多になく、車もそう。
横切るのは沿道の人。
沿道の人の立場で考えれば、不便この上ないだろう。
マラソンがある日は、家の前で道の向こう側に行くことにさえ不自由する。
前半のコースは1時間程度の交通規制で済むだろうが、終盤になればなるほど隊列はばらけてくる。
先頭のエリートランナーから最後尾の市民ランナーが通過するまでは3時間程度になる。道の向こうに行くのに3時間は待てない。
そこで、ランナーの切れ目を狙ってダッシュで横切る。
俊敏な動きの子どもから、ゆっくり歩いて渡るおじさんまで。
だがこれが、ランナーにとって、けっこうなストレスになる。
ランナーはそこまで何十キロも走ってきており、咄嗟にコースを変えられないのである。
衝突はしなくても、目の前を横切られるだけで、一瞬カラダが反応してリズムが狂う。
リズム感が頼りのマラソンランナーにとって、これはきつい。
ここ長野は、コースを横切る人が他の大会に比べて格段に少ない。
沿道のマナーがとてもいい。
堤防沿いのコースになってからでも、ボランティアの方が一定間隔で立っている。
無防備な中を走った「荒川」や「かすみがうら」と比べて、とても安心感がある。
そう思っていたらエイドで人とぶつかった。
カップルのランナーだ。
コースを直角に横切って歩いてきて、テーブルに手を伸ばす。
しかも二人で手をつないでいる。
ランナーにもいろいろな世界観があるのだな・・
35km
34.4km 岩野橋の第7関門。
ここではシチズンの大時計が号砲からの時間ではなく、関門閉鎖までのカウントダウンを表示している。
毎年、NHKの放送ではここでDNFとなるランナーを映し出す。去年の関門は橋の終点だったが、今年は橋を渡る手前に設置されていた。
橋の左側にも応援の人が座っている。
特に声を上げるでもなく、にこにこと見守っている。
今日は天気もよく、暑くもなく、皆さんもいい一日になっただろう。
35kmで鳴るように入れてきた「ロッキーのテーマ」メイナードファーガソン
ここで気合い注入!
という選曲だが、今日は肩の力が抜けている。
この状態が、アスリートがよくメディアに語る「●●を楽しむ」状態。
ただし「●●を楽しんできます」と競技前に言うのはまちがいで、調子がよくて結果的に「楽しい」状態を「●●を楽しむ」というのである。
35kmの通過タイム 貯金は11分に増えている。
36km
前方にゴールの競技場が見えてくることを、去年のテレビ放送(NHK教育)で知っていた。
遠くに見える目標を捕らえることは、マラソンではよくない。
「あんな遠い所まで行くのか・・」
と落胆するからだ。
だが、今日はあえてオリンピックスタジアムを探す。
はるか遠く、見ようとしなければ見付からないほどの遠い所にその姿を捕らえた。
さてそろそろ、記念写真ポイント。
毎回、マラソン写真を買うことにしているので、今回もいい写真を撮ってもらわねばならない。
「かすみがうら」では、終盤の必死の形相
「東京」では、腹が減って血の気のない表情
さて今回は・・
やはり、ここは笑顔か。
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