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2010年7月 7日 (水)

2010年W杯のトレンドは「見落とし」と「手」

日本とポルトガルが同じ日に続けて負けて、長年の夢「日本対ポルトガル」は実現しなかった。
この先いつか実現する日が来ても、もうデコはいない。

6月30日
FCバルセロナのラポルタ会長が退任。
赤字が続き金庫が空っぽだったチームを、大幅な黒字チームにした功績は大きい。

スポーツディレクターのチキ・ベギリスタインも退任。
7シーズンで38人を獲得し35人を放出した。
デコはそのどちらにも入っている。

「バルサ、バルサ」と草木もなびく。
バルサに入りたい選手は後を絶たない。
「バルセロナに入りたい選手だけを獲る」
チキはかつて、日本サッカー雑誌の取材にそう応えていた。
その順風を活かし、次々に有力選手を獲っては捨てた。

それでも、さほど批判を受けなかったのは、メッシに代表される青田買い。
メキシコからドスサントス(プレミアリーグのトットナムへ移籍)イスラエルからガイ・アスリン・・・
それらの選手を "長期的視野に立ち、自前で育てている"という大義があったからだ。

7月1日
イギリス「デイリー・スター」に掲載されたデコのコメント
*ザ・ゴールより
「チェルシーが認めたらフルミネンセに行く。まだサインはしていないけど、自分の気持ちは伝えてあるよ」

去年は行きたいチームに行けず、結局はとどまったことが凶と出た。
今年は早く話がまとまることを祈る。

7月2日
ベスト8
オランダ 2-1 ブラジル

ブラジルがロビーニョへの縦パス一本で先制。
優位と目される側のあまりに早い先制に一気に興ざめした。

ところが、この試合には誤審がない。
誰も手を使わない。
主審は日本人の西村さん。
「決勝の笛を目指して試練ですね」
というアナウンサー。確かに彼が決勝の笛を吹くことになれば誇らしい。

試合が落ち着くと、ブラジルにオウンゴールという不運が待っていた。(後にスナイデルの得点に訂正)
追いつかれてからの「こんなはずじゃない」というブラジル人の表情が悲しい。

「あれはわたしの聖なる手が助けてくれたゴール」
コートジボワール戦で手でゴールを挙げたことを誇った選手を擁するチームが、W杯を後にした。

ベスト8
ウルグアイ 1-1(PK4-2)ガーナ

試合の映像を見る前に、讀賣新聞夕刊を見てしまった。
一面に載っている写真をみて
「あぁ、GKがふつーにセーブしている写真だな」
と思ったら・・

「W杯史上最高のセーブだと思う。今日は退場になったが、その価値はある」

延長後半に相手のシュートをGKの代わりに手で止め
結果的に勝利を得たウルグアイ、スアレスの談話が載っていた。

欧州プレーオフで手を使ったアンリは、一応反省しているようなコメントをしていた。
ところがスアレスの威風堂々とした態度はどうだ。
世界中が驚いただろう。岡田監督も真っ青だ。

2006年W杯では、ペナルティエリア内で自ら倒れる "自作自演PK" による1-0で勝つのがトレンドだった。
その後、2008ユーロからは疑わしきは罰せずとなり、自作自演PKは影を潜めた。
それに代わる今回のトレンドは「見落とし」と「手」

勝ち残ったチームの大半がその恩恵にあずかっている。

ゴール見落としのドイツ(イングランド)
オフサイド見落としのアルゼンチン(メキシコ)
オフサイド見落としのスペイン(ポルトガル)
手を使って勝ったウルグアイ(ガーナ)
( )内は敗れたチーム

21世紀に入ってから、このような不労所得で勝ち上がったチームは一度も優勝していない。
この時点でなんの不労所得も得ていないチームはオランダ、パラグアイのみ。
優勝はこのどちらかということになる。

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