スペイン-ポルトガル ビジャの決勝点はオフサイド
6月29日
ベスト16
スペイン-ポルトガル
この日アルメイダ先発が「凶」と出たというのは、順番が逆だったと言うことだ。
リエジソンを先発させて、GKが蹴るボールまで徹底的に追い回す。
相手DF陣に疲労を与えて、終盤のチャンスを待つ。
そこで、リエジソンに代わり、アルメイダを入れる。
終盤のパワープレイで、高さのあるアルメイダがヘッドで決める。
試合終了間際に訪れたパワープレイのチャンスでは、高さのある選手がいないため、同点ゴールを押し込むことができなかった。
ポルトガルに悲劇の瞬間が訪れる。
18分 ビジャがエドワルドと1対1でシュート。
エドワルドが弾いたボールは再びビジャの足下に戻り、二度めはゴールに押し込まれた。
この瞬間にポルトガルのW杯が終わったと察した。
このクラスの相手に0-1となった場合、1-1になる確率よりも0-2になる確率のほうがはるかに高い。
放送を担当するNHKのアナウンサーはスペインのパスサッカーの結実を賞賛する。
FIFAが流す国際映像はいつものオフサイド位置をラインで示すCG画面を流さない。
日本で放送を見ていた人で、これがオフサイドだと気づいた人は少ないだろう。
イニエスタがペナルティエリア内にいたシャビにスルーパスを送る。
この時、ポルトガルDFの右足膝から下が後ろに折れていて、その分シャビはオフサイド位置ではない。
だがシャビがこのボールをヒールで後ろに流す。
これは、スルーではない。
試合後に映し出されたリプレイを見ると、ボールはシャビの横で加速しておりシャビが当てていることがわかる。
その時、ビジャはオフサイド位置にいた。
ボールがゴールに入った後、すかさずカルバーリョとコスタが手を上げて、右サイドにいる副審にオフサイドをアピール。
だが、判定は変わらない。
副審は真横の好位置からこのシーンを見ている。
人の動体視力が当てにならないのは、イングランドのゴールを見逃した副審が立証している。
恐らくシャビのプレーが副審にはスルーに見えたのだろう。
シャビが触っていなければ、オフサイドではない。
その答えはシャビが知っているが、彼がその質問を受けたのかさえわからない。
ポルトガル選手は抗議で試合を止めることはしなかった。
一気にラインを上げて、相手ゴールに近い場所でのプレーを始める。
当然、DFの裏には大きなスペースが開き、再三そこを攻められる。
かつて、2006クラブワールドカップ決勝でバルセロナがとった布陣を思い出した。
今思えば、0-0の局面でなぜあそこまで前がかりで攻めたのか、理解しづらい。
イビチャ・オシムの「FCバルセロナ(というよりライカールト監督)はこの試合をショウと捕らえていた」という言葉が、今ならばよくわかる。
ベスト16ここまでの戦い
イングランド、メキシコ、チリが、先制点を奪われた後、前がかりになったところを、立て続けに失点した。
だが、ポルトガルは崩れない。
依然として堅守のチームであることを証明する。
ポルトガルは強いチームなのだ。
ただ選手が不幸だったのは、弱いチームだということにしたかった人がいたことだ。
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