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2010年7月26日 (月)

うどん屋から出撃!キノコモルグ

うどん屋で初対面のキノコモルグ(前編)←

【 しりょう きのこもるぐ 】
仮面ライダー2号を倒し、2週連続登場したショッカー怪人。
1971年9月11日、第24話「猛毒怪人キノコモルグの出撃!」で登場。
猛毒キノコの胞子で仮面ライダー2号を倒してショッカー基地に拉致、電動ノコギリの処刑台に乗せた。
全国の子どもが不安で迎えた翌週9月18日、処刑台の一文字を滝があっさり救出した。
予告編を見れば、ライダーが死ぬわけではないとわかったはずだが、当時の僕は一週間気が気じゃなかった。

放映当時、怖すぎる顔で抜群の人気を得た割には現在、関連グッズが少ない。

HGガシャポンのキノコモルグは「死神博士恐怖の正体編」で商品化されている。
ところが、塗り行程が少なく、肝心の顔のできが悪い。
「人形は顔が命」なのに・・

HGシリーズは同時発売6点のなかで、塗り工数が多くコストがかかるもの、塗り工数が少なくコストがかからぬものを混ぜて、予算のバランスをとっていた。

「死神博士恐怖の正体編」は同時発売のイカデビル、新1号ライダーキックなどにコストを重点配分し、キノコモルグが "手抜アイテム" になっている。
キノコモルグの人気から言って、温存しておいてどこかでメインに持ってきて欲しかった。歴代HG仮面ライダーシリーズでは最も期待はずれの一品。バンダイベンダー部門の大きなミスである。
(考えには個人差があります)


ステージ脇のうどん屋でキノコモルグは他の怪人と一緒におばちゃん相手にジョークを飛ばしていた。

「下関はふぐが美味いねぇ」だったか
「おばちゃん、ミス下関かね?」だったか、
記憶がないが多分どれも違うだろう。

ショーのシナリオは、ヒーローショーのお約束。
人質をとってライダーをおびき出すという設定。
作戦を仕切るのはゾル大佐だったような気がするが、テレビ出演していた宮口二郎でなかったことは確かだ。

ゾル大佐らしき幹部は、拉致の出撃部隊のメンバーを指名する際
「キノコモルグ、お前は顔が売れているからここに残れ」
と居残りを指示する。
怪人は皆、同様にテレビに出ているのだから、露出度は同じ。顔は同様に売れているはずだが、その作戦意図をキノちゃんファンの僕は妙に納得した。

「さぁ、みんなで仮面ライダーを呼ぼう。せぇの」
らいだー!!!
「あぁ、声が小さいねぇ」
と司会のお兄さんがベタに煽るような稚拙なショーではなかったが、一文字隼人はやはり登場しないまま、いきなり変身した仮面ライダー2号が現れた。

いまの子供達だったら
「はやっ」
「はやっ」
「はやっ」
とツッコミのユニゾンが聞けただろう。

仮面ライダーが30mジャンプしないことも、怪人が爆発しないこともわかっていた、僕らライダーっ子たちは、本州のはずれ下関にやってきた"目の前で動く仮面ライダー"の一挙手一投足を食い入るように見つめ続けた。

そんな僕を、微笑ましそうにのぞき込んでいてカズ兄ちゃんは、会場を出たところでアメリカンドッグを2本買ってきて、僕に一本くれた。
生まれて初めて食べるソーセージのドーナッツみたいな食べ物は、子供心に「一生、これを好きでいるだろうな」と思わせるに十分だった。

 

親戚の家に戻るや否や、キノコモルグをうどん屋で目撃したことの希少さを力説したが、親戚は誰も相手にしてくれなかった。
数十年の時を経た今、こうして、皆さんが読んでくれたことで、とても心が和んでいる。

HG ショッカー怪人リスト

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