N700系の小さい窓から見る 4分間の富士山ショー
JR東海パッセンジャーズのホットコーヒーは飲み口だけ開けられるフタがつく。
揺れが少ないN700では、ほとんどテーブルが揺れることはないが、このフタは安心感がある。
冬場は熱いコーヒーが冷めないのでなおよいだろう。
窓が汚れている。
外に出て拭きたい。
前回の洗車のあとに雨が降ったのか。それとも車両所の洗車ではこの程度なのか。
N700系から、窓はガラスではなく特殊ポリカーボネート製になった。
窓枠は高さ52cm×幅50cm。
壁が薄くなった分、窓が小さい作りになっている。
1列1窓なので列によって、景色の善し悪しはないが、窓際席からしか車窓の景色は見えない。
旅日記帳には、車窓からのチェックポイントを分刻みで書き出してきた。
7:03
小田原駅を出て左手に小田原城
すぐ小峯トンネルにはいる。
・・・といった具合だが、小田原駅はカメラを取り出すヒマもなく通過。
窓に向かって三脚をセットするわけにもいかない。
時計とにらめっこしていなければ、ネタを逃してしまう。
7:04
小田原を出てすぐ、車掌が検札にやってきた。
乗ったことがないので側聞だが、グリーン車には検札がないらしい。
このあたりから熱海までは、ほぼ相模湾沿いに走っているが、海べりには一度もでない。
国道一号線に沿って小田原から三島を直線で結んだほうが速いのだが、線路は熱海を経由している。このルート取りが、開業当時、熱海が観光資源として国鉄の大きな収入源だったことを物語っている。
A列の客は例外なくブラインドを閉めていて、遠くに海を望むことはできない。
7:08
熱海
JR小田原駅の一段高い狭い所につくったお陰で、線路が2本しか引けず待避線がない2面2線。
そのため、熱海で折り返すダイヤ、熱海で追い抜くダイヤは組めず、ダイヤを組むうえでのネックとなっている。
同じレイアウトは「新神戸」
7:10
パーサーがトレイを持って、6号車方面へ向かっていった。
客室に10人以上、乗客が立っているとワゴンではなくトレイ販売に切り替わる。
20人以上だと、トレイ販売すら来ない。
足早に歩いて行ったところをみると、A車ワゴンから携帯電話で商品の配達依頼があったのだろう。
三島は、気づいた時には通り過ぎていて見逃した。
三島駅は1969年4月開業。
新幹線では、開業当初にはなかった初めての新駅。
当初から三島車両所があったこともあり「三島にも駅を」という地元の要請でできた。
島式ホームが1面しかなく、待避線が内側、通過線が外側を通る1面4線。
このレイアウトは新幹線駅ではここだけ。
当初、熱海の観光客を見込み、東京-三島で折り返すダイヤをつくるためにこのレイアウトになった。
7:15
7,958m およそ 8kmもある新丹那トンネルを抜け、ようやく視界が開けた。
山側に、頭に雲をいただいた山が見える。
富士山なのか?
すぐさま、カメラを構えてシャッターを切る。だが、それが富士山なのか 名も無き山なのか確信が持てない。「あれが富士山です」とテロップが出ていないかと、ニュース速報スクリーンを見るが、何も流れていない。
7:17
頭一つ抜けている、見覚えのある あのカタチは!
まちがいない富士山だ。
富士山の山開きは7月から8月。わずか二ヶ月の間に、一度富士山に登ってみたかった人たちが山頂を目指す。
ただ、この時期 麓から富士山が見えることは珍しい。
7:20
新富士通過
新富士は「こだま」しか停まらない駅。
他では掛川、三河安城、新岩国、厚狭が「こだま」しか停まらない駅。
7:21
トンネルに入り、富士山とお別れ
新横浜を出て28分後に見えてきて、4分間の富士山ショー。
しっかり、この目に焼き付けた。
と昔ならば書くところだが、しっかり2GBのSDカードに焼き付けた。
写真やビデオに残したものは、脳が覚えようとしない。
これから先、写真でいくらでも見ることができるが、心の風景には残らない。
川幅 1,373mの富士川 富士川鉄橋からの富士山は絶好の撮影ポイント。車窓からは残念ながら橋桁が映り込んでしまう。
「新幹線・全部乗る旅」 旅日記は不定期で連載中です。
目次ページはこちらです。
→100系 300系 500系 700系 レールスター N700系に一日ですべて乗る品川-博多の旅日記
| 固定リンク | 0
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 貸し切りの平和祈念像 長崎稲佐山スロープカー(2025.02.05)
- 初日から速さに目を見張ったFLAGSHIP STOREの会計オペレーション(2025.02.02)
- 磨き抜かれた夢の街 長崎スタジアムシティ開業 しらべるが選ぶ2023年の5大ニュース【1】(2024.12.28)
- 東町運動公園とアダストリアみとアリーナが頭の中でつながらない(2024.12.23)
- 長崎とここに訪れる人達を笑顔にする町が、まさにあと数分で生まれようとしていた(2024.12.11)
コメント