タイヤキの縮尺と入港ぜんざい
2010年夏、佐世保の実家にあったタウン誌に、食欲をそそられる写真が載っていた。
「夏季限定 冷やし 入港ぜんざい」 500円
うわっ、こんなにたくさんの量で 500円? 店は赤字じゃないかいな。
近くにある白十字パーラーには、ジョッキ一杯に入ったジャンボパフェがあるし、バードモナミには巨大なコーヒーゼリーがある。この界隈はビッグサイズの巣窟なのか・・・
さっそく、そのお店「麦半」に行った。
メニューの写真を見ても、やはりでかい。これだけの量だと、一緒に飲物を注文するのは、はばかられた。
そして、やってきた「冷やし入港ぜんざい」
え゛
一瞬、なにが起きたかわからない。
確か、巨大なぜんざいを完食できるだろうか。もしも、食べきれなくても、それはそれでいいネタになるな・・ そう思いながら、暖簾をくぐったのだ。
記憶がリセットされて、真っ白に戻る。
そうか、この手があったのか・・ 雪の日、外から帰ってストーブにあたっているうちに、手の感覚が戻ってくる時のように、思考回路が復旧する。
鯛焼きの口からしっぽの先までの標準はタイヤキ基本法で 14cmと決まっている・・ というのはウソだが、大きい店で 16cm、小さいところでは「上野たいやき」の11cm。たいがいの店は、14cm または 15cm である。
これでは、金魚焼きである。そういえば、どこにも鯛焼きが乗っているとは書いていなかった。
まぁ、これはこれで、いいネタをいただきましたよ、まったく。
と、ぜんざいにぞんざいなお礼を言う。
となりのテーブルには、お孫さん2人とおばあちゃん。膳に乗った食事メニューをとっている。子どもたちは嬉しそうに、一品ずつ箸でつついていく。眼を細めるおばあちゃん。きっと、この瞬間、長生きしてきたことの幸せをかみしめていることだろう。
そんな光景を微笑ましく見つめながら、口直しのコーヒーを楽しんだのだった。
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