紙の手帳を卒業した理由
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ベストの手帳を考える 2
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自分に予定を思い出させる。
電子的な方法であるPDA、スマートフォンを諦め、紙の手帳を検討することにした。
かつて、電子手帳を使い始める1985年以前は、ルーズリーフや手帳を愛用していた。
取引先の名称、電話番号、商品別販売データなどを記した手製の台帳。
営業では、いつでもどこでもこれを持ち歩いた。
この頃、不思議だったのは台帳に記した百あまりの電話番号を暗記していたこと。
「手で書いたことは覚えるのだ」
と当時は思っていたが、後で理由がわかった。
その電話番号に何度もかけるので、脳がこの情報を想起しやすいエリアに置いていたのだ。
電子の時代になってからは、アドレス帳から電話をかけることができる。
想起が不要なので、脳は短期記憶エリアに置いた後、削除する。
ルーズリーフを止めた理由は、集計や転記などが大変なこと。というよりも、パソコン+Lotus1-2-3(後にエクセル)が登場したからである。
紙の手帳を止めたのは検索性の悪さ。
電子手帳を手にした時、その「検索」に驚いた。
キーワード、日時であっという間に情報にたどり着く。
手帳に書いたものは、探すのが難儀だが、電子手帳ならば、見たい時にすぐ見られる。
ちょうど「情報」が戦略だと言われ始め、情報化時代が始まった頃。
大企業はホストコンピューターを導入して「戦略情報システム(SIS)」を構築し始めていた。
SIS=Strategic Information System
企業活動に、コンピューター情報システムを活用すること。
1985年にC.ワイズマンが提唱、1990年代初頭に流行した。
1999年から「IT」が流行語となり、SISは死語になった。
紙を卒業して、電子に乗り換えてから20年。
再び、紙に再入学することになった。
再入学の理由は、思いつきの1行が、1枚の記事になり、やがてテーマへと広がっていくことに気づいたからだ。
コンピューターや電子手帳では、情報が日時、ファイル名といった属性とセットになっている。
脳に浮かんだアイデアを書き留めるまでの時間が長い。
書き始めてからのスピードが遅い。
思いつきの1行が書けない。
結局、諦めてしまう。
手帳は、思い浮かんだアイデアがこぼれ落ちないよう、書き留めておく紙の道具。
手帳は脳が忘れるために持つ。
手帳に書き留めれば忘れておくことができて、脳の負担が軽くなる。
再び手帳で、キーワードに触れた時、脳にスイッチが入る。
脳はキーワードを書き留めた時の情報を想起、周辺知識を組み合わせて膨らませていく。
かくして、紙の手帳再入学。
はじめに候補としたのは、6穴式システム手帳。
自由にリフィルを入れ替えることができる。
だが、これには大きな問題があった。
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