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2010年11月18日 (木)

「共有フォルダーに格納しました」と言う格納男

「共有フォルダに格納しました」

 今日も、こんなメールが一斉配信で届く。

「来週の会議について、事前にお読み頂きたい資料を共有フォルダーに格納しました」

 差出人はいつものアイツだ。

 「格納男」

  格納男はファイルの共有をするネットワーク上のフォルダーに、自分がつくった資料を置いたことを「格納しました」という。

「マニュアルを共有フォルダーに置きました」
「マニュアルを共有フォルダーに入れておきました」
とは言わず「格納しました」という。

 

格納の意味は、物を一定の場所に納め入れること。
用例としては「航空機を格納する」「車輪を格納する」など物理的な物を、本来それが納まる場所に仕舞うことを言う。
コンピューターのファイルは物ではないので、格納という言葉はそぐわない。

 

ではなぜ、格納男は「格納しました」と言うのか。
それは次の2つの理由が考えられる。

1,自分は文書の作成・修正という責任を果たしているという事実の強調。

2,材料は与えたのだから、その理解・習熟は各自の努力に委ねられているという牽制。

 

格納男は「格納しました」と言ってボールを手放す。
その後、そこに書いてあることを知らなかったとは言わせない。
知らずに不利益があったとしても、それは自己責任である。
そう彼は言っているのだ。

 

文書ファイルを共有フォルダーで共有することは、悪いことではない。
いいことだから、多くの職場で使われている。

 

2000年代にはいり、企業は「パソコン1人1台」時代を迎えた。

だが、共有フォルダーというものは素人には厄介なもの。
まず動作が安定しない。
開く人と開かない人がいたりする。
メールに貼り付けてある番地をクリックしても、そのファイルまではたどりつけない。
(たどりつけるのはせいぜい、そのファイルが置かれているフォルダー階層まで)

 

フォルダーによって、ユーザー権限を設定できるということがメリットなのだが、そのメリットゆえに "権限はあるのだが、入れない" という人もいる。

 

ウェブページと共有フォルダーを比べると、情報の受信者にとっては圧倒的にウェブページが便利。
一方、情報の発信者にとっては、圧倒的に共有フォルダーが手軽。
それは、整然としたレイアウト、他の資料との統一感など何も考えなくていいからだ。

 

わかりやすさなんて二の次。
自分だけがわかっています。
え、間違ってる?
すみません、自分、資料作りが仕事じゃないんで。

 

こういう、文書を軽視したいい加減さが放置されているのが、共有フォルダー。

 

格納男は今日も格納する。
でも、そのわかりづらい資料、まちがいだらけの手順書が問題にはなることはない。
なぜならば、誰も見ていないから。

 

2000年代にはいり、企業は「パソコン1人1台」時代を迎えた。
当初、各自がつくった資料は各自のパソコンに "格納" されていて、必要と思われる人にだけ電子メールで送られていた。
互いにメールで連絡をとりあう人の間だけでの情報共有。

 

「こんな書類が必要だな」
と思い立って、3時間かけて作った資料は、10m離れた席の人が3ヶ月前に既に作っていた・・・
そんな状況を「情報の陸の孤島」と呼んだ。
お互いが持っている情報を、もっとうまく共有して活かすことはできないものか? 誰もがそう思っていた。

 

あれから10年。
共有フォルダーや文書管理サーバーが普及した。
ところで「陸の孤島」は解消したのだろうか。

 

いや、してはいない。
「格納」スペースは、上意下達の道具として使われているだけ。
本当に共有が求められるような情報は、まだまだ個人の脳に眠っている。

あれから7年、格納男が提示する新たな技術

会議の進め方
メールの禁則 CC男にご用心

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