1900話 個人向けポータル
EIP【 いーあいぴー 】
Enterprise Information Portal 企業情報ポータル
EIPとはメール、各種申請、スケジュール管理、社内情報の検索など、仕事に必要な情報を1画面で見ることができる仕組み。
ワークフロー、グループウェア、一般のインターネット情報などから、個人別に使う情報だけを、その人専用の”ホームページ”として表示させることを言う。
一般向けのサービスでいうと「iGoogle」の初期画面が EIPに近い。
(最近は iGoogle のようなサービスをクラウドと呼ぶ人が多い)
EIPは一般社員、管理者、経営者ごとに見られる情報レベルが設定できる。
管理者だけには部下の人事・スキル情報、稟議書の電子決済、経営者だけには部門ごとや全社の経理情報などを見られるようにする。
情報の入り口のことを「ポータル」という。
YAHOO!やGoogleなど、人気のあるポータルは「ポータルサイト」と呼ぶ。
その言葉を使って言い換えるとEIPは「個人向けポータル」となる。
さてこの「個人向けポータル」
使いやすいかというと、そうでもない。
まず、勘違いしている会社はこのEIPを認証画面の内側に置いてしまう。
ブラウザーを立ち上げると、いきなり出てくるのは
「あなたの情報ポータルへようこそ!」
というIDとパスワードを入れるログオン画面。
これは、ナンセンス。
ブラウザーを開いた瞬間から、1クリックで情報にたどり着けるのが「ポータル」であり、ホームページとして相応しい。
*念のため書きますが、ホームページとはブラウザーを立ち上げた時の初期画面のことです。
また、グループウェアがEIPだと勘違いしている技術者もいる。
だが、それはまちがい。
グループウェアはEIPの一構成要素に過ぎない。
グループウェアの初期画面も多少、ユーザーがいじれるので、EIPと混同しているだけだ。
EIPツールと銘打って売られているベンダーのツールが使いやすいかというと、それも怪しい。
自分専用に画面をカスタマイズできるようになってはいるが、それには限りがある。
ユーザーが日々の業務で使う情報は千差万別なのに、それが「ちょいと取捨選択できて並べ替えられるだけの1パターン」で片付くわけがない。
ゆえにEIPは売れていない。
だいたい、なんでわざわざEIPについて今日は書いているのか?と思っている方もいるだろう。
自分が必要な情報は日々、入れ替わっていく。
仕事が替わり、立場が変わり、取り扱い商品が生まれては消え、社会も少し変わる。
"自分が最近、必要な情報だけ"
それを表示する「個人向けポータル」が必要だ。
ツールは売っていない。
ないものは、自分で作るしかない。
簡単なHTMLのウェブページをつくり、それを任意のイントラネット上に置く。
イントラネットでアップロード場所がもらえない会社ならば、ファイルの置き場所は自分のパソコンの C:¥ ** でもいい。
パソコンに挿すことができる会社ならば、USBメモリーの E:¥ *** に置いても良い。
そのHTMLファイルをブラウザーのホームページに設定する。
こうして自作した「個人向けポータル」を10年前から使っている。
http://で始まる社内外のウェブページ
¥¥ で始まるサーバーの共有フォルダー
自分のパソコンの任意のフォルダー、ファイル
日々、使う情報はありとあらゆるところに散らばっている。
毎日使うデータもあれば、1年に1回のデータもある。
それを瞬時に引き出せる。
この便利さは筆舌に尽くしがたい。
毎日1話「しらべるが行く」は今日で連載を初めて1900話、1900日め。
いつも、読んでいただきありがとうございます。
これからも時々読みに来てください。
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