2010年11月の河村たかし(2)
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河村たかしを追っかけるがね
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国会は「政党」で動くが、地方議会は「会派」で動く。
会派と言ってもその正体は政党である。
名古屋市議会の第一会派は「民主党」
第二会派が「自民党」
市長の河村たかしは、2009年春までは民主党に所属する衆議院議員。市長になってからも基本的には"民主党の人"である。
だが名古屋の「民主党」会派とは対立している。
河村たかしと「自民党会派」も対立してきた。
だが、ここにきて2011年の「県知事」「市議会」選挙を戦うには、減税に反対していては勝てないと考えた。
減税に賛成すれば、民主党を逆転できると考えるのは自然なことだ。
この日行われた自民党会派の総会は「次の選挙で勝つには(減税延長)容認しかない」との意見で一致した。
11月20日
NPBセリーグを制し、日本シリーズではパリーグ3位のロッテに敗れた中日ドラゴンズ。
その「応援感謝パレード」が名古屋市の中心部を練り歩いた。
挨拶に立った河村たかしは「燃えよドラゴンズ!を国歌にせないかん」と言った後、伴奏なしで独唱。拍手を浴びた。
スルーするしかないようなコメントである。
同じ日、Jリーグを初制覇したグランパスに、河村たかしは次のようなコメントを寄せている。
Jリーグ優勝おめでとう。どえりゃあうれしいですわ。グランパスもドラゴンズも優勝して、名古屋のチームはどえりゃあ立派なもんですわ。この勢いで名古屋の町を盛り上げないかんね。
11月21日
市民有志団体「宗春ロマン隊」が、江戸時代の尾張藩主徳川宗春の功績をたたえ、中区の錦3丁目の繁華街に金色の丸形ポストを設置した。
ポストは、昔ながらのオーソドックスな「赤ポスト」
これを金色に塗装。その上にはミニチュアの宗春が乗る。
亀有では両さんや麗子が受難しているが、宗春は大丈夫なのかと心配になるほど、精巧なフィギュアである。
河村たかしは現地を訪れて「これは新しい名物になるね」とコメントした。
11月24日
一ヶ月、先延ばしになっていたリコール(市議会解散請求)署名の結果が出た。
再審査をしてきた、名古屋市議会議員OBが固める選挙管理委員会が発表した。
有効署名数 353,791
法定必要数 365,795
意外な結果に驚いた。
河村たかし側が提出した署名数は、およそ 465,000
100,000 も余裕をみて提出したのだ。
そしてフタを開けたら、111,811の署名が 選挙管理委員会に無効と判断されていた。
不足数 12,004
国連の選挙監視団が新興国の民主選挙を監視して、不正を防止するというニュースを見たことがある。
そのニュース映像を思い出した。
この結果を受けて、河村たかしは「民主主義の恐るべき危機だ。署名活動の終了後に、後出しじゃんけんのように審査基準を厳しくするのはおかしい」とメディアに語った。
名古屋市選挙管理委員会の伊藤年一委員長は会見に臨み、次のように語っている。
「審査結果に間違いはない。約900人が自分で署名していないと回答した。(河村たかし)支援団体の不手際であり(支援団体は)制度を汚した」
ただし、ここは平穏な民主国家日本。
翌日から早速、署名簿が一般公開(縦覧)されて、異議申し立てを受ける。
本当に誰かが制度を汚したのか?もし、そうならば、それは誰なのか?
縦覧の結果が出るのは12月中旬となる。
11月26日
河村たかしは年内に市長を辞職する意向をメディアに語った。
名古屋市民にとっては、2011年2月6日が愛知県知事と名古屋市長の「ダブル選挙」になる。
11月30日
名古屋市議会の民主党会派である「民主党市議団」が、2月6日の市長選に河村たかしの対立候補を立てる方針を決めた。
"民主党の人"河村たかしに民主党が刺客を送る。
メディアが喜ぶ図式になりそうだ。
果たして、市民革命を先導する河村たかしの"敵船"にどれだけの人が乗るのか。
その船に呉越同舟する人たちがいるとしたら、相当に風を読む感覚が鈍い。
そんな人は、実際にほとんどいないだろう。
その一方では河村たかしの船に乗り込んで来る呉越同舟組は、すでに出始めている。
「減税ありき」
「職業化した議員の排除」
河村革命の原則に則った人ならば、河村たかしは歓迎するだろう。
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