歌い続けていきたい! たのむぞ!
湘南新宿ラインが「安全点検」のために新川崎で10分足止めを食ったおかげで、約束の時間に10分遅刻。
チケットの整理番号は二桁台。
開場時間に呼び出しが始まった。
「39番の方いらっしゃいませんか?」
1人1人、番号が呼ばれて場内に通される。
とても公平で好感が持てる運営だ。
彼の姿が近い。
やはり真っ正面はいい。
一緒に歌う。すべての曲を。
今日は自分の声がよく聞こえる。
PAの調整がほどよいのか。
ふと考えた。
こうして歌っていて、周りは迷惑じゃないのか。
歌っていない人もいる。
そんな人は聞きたくもない隣人の歌声に憤慨しているんじゃないか。
ライブ終わりに友だちに聞いてみた。
歌っていたの、邪魔だったかな?
「聞こえてましたけど、僕も歌っていたら大丈夫ですよ」
と、彼は言った。
ライブ後オフで仲間にその疑問をぶつけてみた。
「歌う人と、歌わない人のエリアを分けたらいいですね」
すばらしい発想だ。
仲間の言葉にユーモアをもって応じ、一見建設的な意見を言う。
そういう仲間がここにいる。
彼が歌い続ける限り。
今日はインカムではなく、モニターで音を取っている。ギターを持ってきたローディに素早く耳打ち。音が聞こえないと言っているのだろうか。 季節はクリスマス直前
彼は「クリスマスタイムインブルー」を演奏した。
すると、空から雪が降ってきた。
ただし、そこは空ではなくステージの際にある吹き出し口。
Visitors tour specialで天井から風船を振らせて以来、彼は何か降らすのが好きなようだ。
皆が思い切り手を高く伸ばし、雪をつかもうとする。
だが、それはつかめない。
それは、紙吹雪ではない。
当たりくじでもない。
手に触れた途端、カタチを失う。
どんなに楽しい時も、一瞬にして経験済みの過去となって古びてしまう はかない現代のように。
シャボン玉?
友だちの髪にシャボンが滞留して消えていくのを眺めながら、この材質は大丈夫なのかと考える。
どこかのシャボン玉メーカーに勤める、彼の音楽と共に大人になったファンがいるとしよう。一度でいいから憧れの人と仕事をしたくて「うちの無害シャボンを使ってください」とパワーポイントでプレゼンをしている・・
よし、そのシャボンでいこう!手を打つ彼。涙するセールスマン。そんな光景を想像していた。
きっと、大丈夫
彼のやることだから。
でも、帰ってから入念に髪を洗った。
サムデイを歌ってくれた。
「これからも歌い続けていきたい!」
彼はそう約束してくれた。
たのむぞ!
そう声をかけた。
今日は「いつもありがとう」と言おうと狙っていた。
でも、それは「たのむぞ」に代わった。
「僕は大人になった」のエンディングで、フーフーフーフーと言って両手をつきあげる動作は、僕にはできない。昔はやっていなかったから。
「アンジェリーナ」で今夜も愛を探して!に合わせて、こぶしを突き上げるのもムリだ。
なぜなら、僕は左利きだから。
隣人が突き上げる右手と衝突してしまう。
それでも 29年
心にしみこんだ彼のリズム
いつも以上に、リラックスして楽しむことができた。これからは、もっとそうなるだろう。
3月13日のファイナルは時々、座りたい。
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