走りの躍動感の秘密は"こぶしの小槌"
ステップ運動の教材を「横浜国際女子マラソン」の録画に替える。
尾崎好美が39kmでラストスパートをかけて、世界選手権内定第一号を決めたレースだ。
今回、ステップ運動には"マラソンの録画"が必須であることを知った。
レースは2時間30分程度なので、それをステップ運動に合わせて45分程度に編集。
DVDにダビングしてパソコンで見る。
「腕振りの切れ」「腰の高さ」
尾崎好美の走りは最高の手本である。
自分のフォームをガラスに映して、映像と見比べる。
去年は"肩胛骨を回して走らなければならない"と考えていたので、それを意識したフォームだった。
それで宇佐美彰朗さんに「けんこうこつ~?」と言われたのである。
尾崎好美のフォームを見ると、確かに肩はある程度回っているが、それは結果であり、意識して肩胛骨、肩を回している素振りはない。
野尻あずさはマラソンデビュー戦では、これでもかと肩を回していた。
それを見た有森裕子は「肩を回しすぎ」と解説していた。
野尻のフォームがその後どうなったかに興味があったのだが、3月の出場レース(名古屋国際女子)が東日本大震災の影響で中止になってしまい、見ることができなかった。
宇佐美彰朗の腕振り
尾崎好美の腕振り
この2つのお手本から学んだことで、これまで曖昧だった"腕振りの知識"に柱が立った。
◆肘の角度は体より前では80度、後ろでは100度
◆こぶしの小槌で地面を打つ
走りの躍動感は"こぶしの小槌"にあったのである。
世界一ではないかと思えるようなかっこいいフォームで尾崎好美がゴールする。
そのイメージを脳に刻む。
つづいてダイハツの中里麗美がやってくる。
ゴールテープのこちらではダイハツの監督がグランドコートを広げ「さぁ、ここだ」と待ち構えている。
闘牛士かっ
ゴールテープを切って監督の胸に飛び込む中里。
係員からフィニッシャータオルを受け取り、中里の頭からすっぽりかぶせて、テレビカメラから隠す監督。
容疑者かっ
これじゃテレビに映らないじゃないのとばかりに、タオルを払いのける中里。
スポーツとしては違和感がある光景。脳には刻まないようにした。
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