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2011年5月29日 (日)

王貞治モデルファーストミット レプリカ 美津濃さん頼みます!

僕が住んでいた盆地の田舎町にはスポーツ店がなかった。
その点、都会の下関には大丸(デパート)がある。
下関に来た時が、唯一ファーストミットを近くに感じる時だ。

おじいちゃんの家には親戚のおばちゃん、イトコの兄ちゃんたちが集まっていた。
でも、僕は久しぶりに会った親戚そっちのけで、母と向き合っている。
ファーストミットがあれば、僕は皆から名実共にファーストとして認められる。
それは僕の誇りをどれだけくすぐるか。僕はどんなに、日々を幸せに生きられることだろう。
そういう気持ちをわかってはもらえまいか・・・

下関に来た時こそがファーストミットをゲットする唯一のチャンス。その日も、切々とファーストミットが僕の人生に及ぼす影響の大きさを説いていた。
また始まったんかね、なんで今そんな話するん?
辟易する母。
すると、隣で話を聞いていた大学生のイトコが、驚愕の言葉を口にした。

「わしが買うちゃろーか」

イトコの実家は山口県東部。山口県でも広島寄りの地域では、俺のことを"わし"と言うのである。

そうなると電光石火。
渋る母を説き伏せて承諾を得ると、イトコの兄ちゃんをすぐに下関大丸にお連れした。
グローブ売り場は頭に入っている。
祈るような気持ちだ。
どうか、ありますように。

その当時、ファーストミットの需要はとても少なく、置いてあっても右利き用。
左利き用ファーストミットが店頭に並んでいることは滅多になかったのだ。

最短経路を通って棚にたどりつく。
しかし、野球の神様は微笑まない。
棚の端から端を三度見直したが、ファーストミットはどこにもない。

兄ちゃんが言う。
「これは、違うんか?」
キャッチャーミットだった。しかも右利き用。

「店頭に出ているものだけです」
店員さんはすまなさそうに、そう言った。

「しかたないのぉ なんか食べていくか?」

子ども達のパラダイス、大丸のレストラン。
一度食べてみたかった 350円で 5匹が並ぶエビフライ定食を目の前にしても気分は晴れなかった。イトコはダイエットだと言って、ヨコでアイスコーヒーを飲んでいた。

今もファーストミットが欲しい。
大人だから、買うお金はある。
でも、野球をする機会はない。
草野球チームに入ったとしても、その日になって9人揃わなかった時、初めて使ってもらえる程度。
なにせ、送りバントのサインが出て、ストレートが来てもバットに当たらない。
強打者を偽装して、四球を待つ以外に手がない。四球になると笑いをかみ殺し「打てる球がなかったな」という顔をして一塁へ走る。そんなことだから、正一塁手など夢の夢だ。

コレクターの中には「観賞用」と称して、モノを使わない人がいる。「使う用」「保存用」として2つ買う人もいるが、僕は 時計も靴も、道具は1つだけ買って"飾りながら使うコレクター"
ファースミットは道具。
使わない道具を飾るためだけに買うのは本意ではない。

ただ、1つだけ例外がある。
飾るだけでもいい。
それが、王さんのファーストミットだ。

1stmit

王さんが現役当時に使用していた美津濃製のファーストミットは、これまでに市販されていない。
王さんが使用していたのは、キャッチャーミットのように親指側の網目が厚い独特のミット。
川口志津子氏寄贈による、王さんが使用していた美津濃製ファーストミットが、2010年4月より墨田区総合体育館に展示されている。

●過去に存在した"王貞治モデル"と称するファーストミット
1,ゼネラル製 少年用軟式ファーストミット 王モデル 600
2,Rawlings製 120周年記念XGPシリーズ復刻版 王貞治モデル R-DCT

レプリカの発売。
美津濃さん、よろしくお願いします。

いつかは欲しい。
でも、手に入らないかも知れない。
欲しいモノが手に入らない飢餓感は、まんざらでもない。

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コメント

とっても頼りがいのあるイトコさんですねぇ^^

それにしてもその時代からダイエットという言葉はあったのですか(・oノ)ノ

投稿: しろ | 2011年5月30日 (月) 12時13分

恐らくなかったですね、ダイエット。
「いま、減量中じゃけぇ」
って言っていたかな。

投稿: moto | 2011年5月30日 (月) 18時40分

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