期せずして、2年つづきの「旅マラソン」
1,まだエントリーができる。
2,2周回コースではない。
そして、3番めの条件は、被災地から離れていて、中止となる可能性が低いということだ。
せっかく申し込んでも、中止になってしまえば元の木阿弥になる。
これら3つの条件を満たすのが「日本海」だった。
新潟県には「日本海マラソン」があるが、そちらはハーフマラソン。
石川県の「全国健勝マラソン日本海大会」は、毎年4月の第3日曜日に加賀温泉で行われるマラソン。
第1回が行われたのは1976年。2011年は第36回大会を迎える。
ただし、マラソン(42.195km)が始まったのは第29回大会からであり、マラソンの開催は8回め。
マラソン参加者は400人弱という小さな規模。
エントリー方法は先着順で、定員は設けられていない。
制限時間は5時間。
コースは加賀市陸上競技場を出発して日本海まで走り、塩屋で折り返す完全な1ウェイ折り返しコース。
主催者が公開している標高グラフを見ると、スタートからゴールまでアップダウンの繰り返し。
これほどまでに水平がないコースを走るのは初めてだ。
ただ、最大高低差は45mとごくわずかであり、さほどきついコースではないと思われる。
気になる点といえば、海が近いということで、風がどの向きに吹くかだ。
さて、どうやって現地入りすればよいのか。
東京からのアクセスを検討する。
高速道路は北陸自動車道加賀ICまでおよそ500km。所要時間は5時間45分。
高速は土日1,000円のため、通常10,400円が1,850円。
ガソリン代と宿泊までを含めて、およそ24,000円の旅費になる。
一方、最も楽な手段は羽田から小松までの空路。
乗換案内サイトのジョルダンが、航空券とホテルをセットした「出張パック」を販売しており、旅費はおよそ29,000円。
マラソンを走った後、日曜日で渋滞する高速を6時間以上走るのはしんどいし、そもそも危い。
少々高くつくが、行くならば空路が無難だろう。
3月16日
旅行会社とのやりとりで、宿泊と空路の座席確保が確実となったのを見届けて「全国健勝マラソン日本海大会」にエントリー。
あとは、自粛による中止に追い込まれないことを祈るだけだ。
この時点で、あと11日だったマラソンまでのカウントダウンがリセットされ、準備期間は32日に増えた。
3月17日
東京外国為替市場では、早朝に円が対ドルで戦後最高値の1ドル=76円36銭をつけた。
日本に大きな逆風が吹き荒れようとしていた。
あと4週間
さぁいよいよ仕切り直し。
期せずして、2年連続となった「旅マラソン」が始まる。
僕のRUNはまだゴールへつながっている。嬉しい。幸せだ。
レース日に合わせて、メニューを組み直す。
本来ならば1週前、軽いメニューの予定日だったが、加賀のコースを意識して土日ともしっかりとした距離で高低差を走る。
練習のポイントは、腰が落ちないこと。
「胸から下は全部足!」と唱えて骨盤を前傾させる。
一度腰高にセットすると、後はそのまま維持して走ることができた。
カラダが覚える力はスゴイ。
走っていない時は、同日に開催される3つの大会「長野」「かすみがうら」「掛川」の動向が気になる。
日本の社会では、責任を逃れるために横に並ぶという習慣が根強い。
本来、マラソンというお金の落ちるイベントを中止にしたい主催者はいない。
だが「あの大会は中止したのに、その大会はなぜ開催したのか?」と非難されるのは怖い。
実際ネット上には、震災2日後の3月13日に開催された「能登和倉万葉の里マラソン」について「この時期に開催を強行した」と非難する書き込みがあった。
同じランナー同士で魔女狩りが始まっている。
今は、自分の出る大会が中止にならないことを祈り、静かに見守るしかない。
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