カメオ出演!
親戚の亀夫がテレビに出る
という話ではない。
映画が終わるとお約束のエンドロールが、画面の下から上に向かって流れてくる。
まずは主演俳優、そしてその他の俳優、つづいてスタッフ。
そして最後は監督なのだが、その前に表示されるのが「特別出演」
「特別出演」という言葉について、直近3年に見た500本の映画から分析した、しらべるの定義は
「本来ならば主演格の俳優を、限られた場面に起用したという但し書き」
制作関係者、主演俳優との個人的関係で、格安の出演料で出演したことを示すのは「友情出演」と表記されることが多い。
2006年に市原隼人が主演した「天使の卵」では、出番が少なく台詞もない三浦友和は、友情出演と表記された。
友情出演といっても、キャスト・スタッフの誰と友だちなのか、どの程度の友情なのか。親友なのか、知人に過ぎないのかまでは紹介されない。
映画に携わる業界人は、これらの特別な出演を「カメオ的に出演する」「カメオ出演」と言うことがある。
カメオは亀夫ではなく、装飾品の cameo。カメオは石に彫刻を施した装飾品で、ブローチやペンダントとして使われる。
カメオのように、一瞬見ただけでも、存在感が大きいということに由来している。
2011年1月にWOWOWで放送された「コヨーテ海へ」に出演した佐野元春が、レビュー記事でカメオ出演と紹介されていた。
佐野元春の本名は亀夫だったのかと思った人がいた・・ わけない。
(佐野元春は本名です)
「特別・友情出演」の明確な定義はなく、表記するかしないかは制作側の解釈。
あるいは俳優の意向に寄る。
なかには、特別出演の表記を見て「それほどの役者なのか」と思うケースもある。
実例を挙げると・・・ その俳優とファンが気を悪くするのでやめておきます。
全編に渡り出演しているのに、特別出演と表記されることもある。
テレビ連続ドラマ「未来講師めぐる」で、深田恭子の父親役 船越英一郎が特別出演と表記されていた。
もちろん「ずっと出てたじゃん」とつっこんだ。
特別出演は、一度気にし始めると気になって仕方がない。
エンドロールをメモを片手に見るようになったのは言うまでもないが、上映の最中も
「お、***が出ているぞ。これは特別出演だな」
「もしかして、お前 あとで特別出演 名乗るつもりじゃないだろうな」
とツッコミどころが増えて楽しい。
しかし、特別出演という表現は品がない。
「どーです、私は特別です。格が違いますから」と言っているようなものだ。
中にはかつての大スターが、そうクレジットされることがあり、最近はめっきり脇役なんだけど、腐っても鯛ですから。と言っているようでもの悲しい。
「特別」は制作側が気を使って表記するのだろうが、その気配りを客に押しつけられるのは興が覚める。
超大物でも、それを書かないところが慎ましいというものだ。
中井貴一主演の「寝ずの番」で、葬式会葬者役で数秒、台詞なしで出演した浅丘ルリ子。「クワイエットルームにようこそ」で端役を担った妻夫木聡には、特別・友情のクレジットがつかなかった。
二人は自ら「特別」を辞したのではと拝察した。それらの映画はあざとさがない、立派な作品として心に残った。
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コメント
カメオから亀夫が出てきてビックリしました。そっちもあるかと…。
ちなみにカメオ大好きです。福岡の百道で姪連れてカメオ展も観に行きましたw
投稿: しろ | 2011年6月12日 (日) 17時44分
へぇ、カメオさんという人がいるんですねぇ ^^;)
まだまだ知らないことが多い。
投稿: moto | 2011年6月12日 (日) 19時05分