10円のコインロッカー
主催者に電話を入れて、荷物預かりサービスの有無について確認する。
これまでに出た5大会では、いずれも手荷物預かりサービスがあった。
かすみがうらだけが100円で、他は無料。
全国健勝マラソン日本海大会のホームページには、手荷物預かりについての記述がなかった。
「手荷物預かりはありません。ただ、見回りも強化していますし、ここ数年は盗難事故は起きていませんよ。
コインロッカーもありますから」
心配に及びませんよ。という説明を聞いても、まだよくイメージがわかない。
免許証やクレジットカードが入った財布を、置き去りにして走るのは不安だ。
できるだけ走ること以外の不確定要素はなくしておきたい。
現場を見に来て良かった。
加賀温泉駅から会場の加賀陸上競技場までは、住宅街を抜ける一本道。
それはどこにでもある雨上がりの田舎町。
徒歩でおよそ25分かかった。
「中央公園口」の交差点で写真を撮る。
明日はここから、公道へと旅立つのだ。
「中央公園口」の信号から競技場につづく道は長い上り。
中止になって走ることができなかった「佐倉」のゴール間際もこんな感じなのだろう。
佐倉では「最後の上りがきつい」というのが名物になっているが、この坂も負けていない。明日はこの坂をどんな気持ちで上ってくるだろう?
閑散とした競技場では、曇り空の下、会場の設営が行われていた。
奥にある加賀スポーツセンター(体育館)が受付場所。
事務所の職員さんにコインロッカーの場所を尋ねる。
それは、廊下の奥にある男子更衣室の中にあった。
料金は10円。
やすっ
誰も居ない更衣室、気兼ねなく大きな声でつっこむ。
会場の下見が終わると、特に観光スポットもなく予定無し。先を急ぐこともない。ネットで調べておいた食堂でお昼にする。
今日まではカーボローディング後半。
炭水化物摂取のためラーメンを注文して、お昼のNHKニュースに目をやる。
「先ほど、関東地方で地震がありました。震源地は・・」
食い入るように見入っていると、どこからですか?と女将さん。
東京ですと答えると、息子が東京にいるんですと、しばし話に花が咲く。
女将「なんか、若々しいねぇ、細いからかな」
大将「そりゃ、走っとるんやから、当たり前やろ」
これでも去年、長野で「見るからに体脂肪率が低いって感じですね」と喫茶店主に言われた時より太めなんだが・・と苦笑い。
1人旅では声を出して笑うことがない。
人の暖かさが嬉しい。
混んできたお店を後にする時「明日、がんばってください」と2つの声に見送られた。
加賀温泉駅からの帰り道。
時間はたっぷりあるので、今度は普通列車を待つ。
普通列車にはドア・ボタンがあり、乗客は乗降の際、自分でボタンを押してドアを開閉する。
北陸の寒い気候ゆえ、乗降客がない駅や始発の出発前、室内に風雪が吹き込まないようにとの工夫なのだろう。
賢い。
地元の高校生たちも「ほら、押さなきゃ(開かないよ)」とやっていて、このボタンの歴史はまだ浅いのかも知れない。
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