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2011年7月11日 (月)

今はまだ道の上にいて、未来を変えることができる。

34-35km
音楽のセットリストが一巡した。
ここからは、特に勇気づけられる曲をもう一度入れた「リプライズ・タイム」
だが、マラソンお気に入りの
「星の下路の上」佐野元春
「キセキ」GREEEEN
も耳に届かない。

あぁ、歩きたい。
いや、歩くのだけはダメだ。
歩けば目標タイムどころか、自己ベストの目が無くなる。
3大会つづけてきた"歩かずに完走"が途絶えるのは、これから先の日常生活にダメージが大きすぎる。

走りつづけていればチャンスがある。
歩いたら、そこで可能性はなくなる。挑戦は終わりだ。
ここを乗り越えることにより、次のマラソンまでの1年、自信を持って生きられるのだ。

もしも、ここで足を止めてしまっていたら…
考えたこともないが、考えるとぞっとする。
ラップタイムは6分台に戻った。

海陸風は海と陸の温度差で吹く風。昼は海から陸へ。夜はその反対に吹く。この時、海からの風が少しは後押ししてくれたのかも知れない。

35course

35-36km
「サクラ咲け」嵐
♪振り向くな後ろには明日はない 前へ前へ♪
その歌詞に励まされる。
「前」という言葉はランナーにエネルギーを注入する。
上り坂は無理をするな。
歩かなければそれでいい。
上りは休憩だと思え!そう自分を励ます。

走りながら、ずっと恐れていることがある。
それは、ラスト3kmが上りということ。
レース序盤まで見ていた高低差図によれば、最初の3kmはなだらかな下り。
ということは、1ウェイ折り返しのこのコースの場合、ラスト3kmが上りと言うことになる。
そこまでに、貯金をしておかなければ。
それは、とてつもない重さで心にのしかかっていた。

3437

36-37km
コースが下りに変わる。
その勢いをもらって駆け下りる。
どんな力でも借りる。
できれば、この下りが永遠に続いて欲しい。
この日のために、下りでも強く走れるよう高低差走をこなしてきたのだ。
高低差がある場所は、山側がひさしになり、日が翳る。
体をすり抜けていく風が心地よい。

下った後、コーナーを抜けた先に待っているのは上りか、下りか?
できればその先も平坦であって欲しい。
上りで休んだ分、下りはがんばりどころだ!

二度めの「fanfare」Mr.children
♪悔やんだって後の祭り もう昨日に手を振ろう♪
そうだ。その通りなんだ。
これから先の暮らしで、自己ベストをクリアできなかったことを悔やみ続けるわけにはいかない。
頑張るのは、今この時。
今はまだ道の上にいて、未来を変えることができる。

ここでのがんばりは、このレースを終えた後ずっと、自信というカタチで心を支配している。

震災→中止→日本海へ

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