競技場へゴール 自己ベストへ最後の難関
41-42km
あと1kmの看板を過ぎた。
安堵、感慨、なにも交錯しない。自己ベストを出せるか、その不安が支配している。
ゆず「栄光の架け橋」
♪決して平らな道ではなかった けれど確かに歩んできた道だ♪
ゴールまであと数分。これはいい選曲だった。
ここで、右手にカメラマンがいた。
All spotsのカメラマン?
お約束の「もうすぐ撮影ポイント」の看板はなかったぞ。
いつもならば、周囲からぽっかり空いたスペースに走り込んでピンで映る絵作りをするところだが、あたりには誰も走っていない・・
後から見た写真にも確かに周囲には一人もランナーが映っていない。
過去6大会で、フレームに他の誰も映っていない写真というのは初めてだ。
心に余裕はある。二年連続、今年もにこにこ笑顔で映る。
カメラ目線をするのだけはやめておいた。
結局この時のカメラマンは業者ではなかった。
All sportsの撮影ポイントは、スタート直後の「中央公園口」交差点、ラストの競技場への上り、フィニッシュラインの3カ所だった。
待望の「中央公園口」の信号を右折。
競技場へと駆け上っていく。
マラソンランナーにとって競技場への接続路は、最高の晴れ舞台だ。
中央分離帯で分けられた左側を通行。
歩道で待っていた女性が「お帰りなさい!」と声をかけてくれる。
嬉しい
その一言が身にしみる。
終わったな・・
つい、ほっとしてまった。
これがいけなかった。
思いの外、上り坂が長かったのだ。
上っても上っても競技場が見えてこない。焦った。
まさか、ここで歩いてしまうのか
ここで、必死の「打ち出の小づち走法」
一生懸命に拳を小づちのように振る。
長い上りのため、この1kmは7分6秒かかった。
必死の思いで上り終えて、右に曲がるとすぐ競技場。
ここには再び、大勢の観衆がいて声援を飛ばしてくれる。
「頑張れ~」「ラスト~」
トラックで競り合う相手はいない。
少しでも距離を節約しようと最も内側を走る。
残り半周
内側の縁の段差に足がぶつかり転びそうになった。
あぶないっ
必死で態勢をたてなおす。
3,990円を投資したブレスレット「パワーバランス」が、ここで少し役だっただろうか。
転んでいたら、自己ベストが危ういところだ。
冷や汗を心にかきながら、慎重にダッシュに戻る。
憧れの競技場ゴール。歓声のなかのトラック一周。だが、残念ながら楽しんでいる余裕はない。
42-ゴール
最後の直線。必死に腕を振る。
たぶん自己ベストは大丈夫なはず。
ゴールラインの右手にあるデジタル時計でタイムを確認する。大丈夫だ。
時計をにらんだ目が必死。口が半分開いている。左手には給水グリップが握られている。蹴りは弱いものの、一本の線の上を走っている。
右手で大会関係者が笑顔で拍手している・・・
all sportsがゴールライン上で撮ってくれた写真。
今、額に納まっている。
今回も長野につづいて、2L版を2カット購入した。
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