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2011年7月 1日 (金)

会議の司会者が15分前に来なかったら、何が起こるか?

会議の司会者は、遅くとも開始15分前には会場に入っていなければならない。
司会者には会議が始まる前に、会場でやることがたくさんあるからだ。

会議資料の配付
あるいはアジェンダの板書
デモやプレゼンに使うパソコン、プロジェクター、LAN設備のセッティング。
その準備だけでも10分はかかる。

機械が順調に動けばよいのだが、プロジェクターが調子が悪い、LANがつながらないという事態は頻繁に起こる。
不具合の場合、パソコン保守担当者やネットワーク管理者を呼ばなければならず、復旧には最低20分を見ておかなければならない。



コンピューター・システムの講習やデモでは、ネットワーク接続が必須。
その場合、30分以上前の会場入りが必要となる。

自分が15分前に来ればいいかというと、それだけでは済まない。
15分前に会場に入るためには、会場が15分前に空いている必要があるのだ。
15:00から会議が始まるのに、前の会議が 15:00に終了するならば、準備時間はゼロということになる。
会議室を押さえる際は、準備に要する時間を見越して、開始時間よりも前倒しで予約する必要がある。

早く来なければいけない理由は準備だけではない。
司会者はその会議を乗り切る、仕切り通すという意欲を示さなければならないのだ。

一番乗りの参加者は10分前にやってくる。
その彼は「10分前・15分前行動」の実践者。
人の時間を奪わないという意識が高く、時間を大切にしない人は二流と考えている。

もしも、彼が会議室に来た時、まだ誰も来ていなかったら
「あぁ、いつもの司会者レベルだな」
と独りごちる。
そこに司会者が現れて
「いやぁ、早いですね」
と言われると、お前が遅いんだよと心でツッコム。
「ヒマなんですか?」
とでも言われたら、定年まで口をきくのをやめるし、その人は岩だと思うことにする。

そういう彼が会場入りした時、既に司会者が会議室で準備を始めていたら・・・
「おぉ、なかかなやるな」
と緊張感が沸く。
論理的に建設的な意見をいう人は、とても少ないわけで、彼のような意識の高い参加者を味方につけることが、会議を円滑に進めるために必要だ。

会議は言うまでもなく定刻に始めなければならない。
それなのに、ぎりぎりにやってきた司会者の準備が間に合わず、定刻になってもまだパソコンとにらめっこしていたらどうなるか。

おいおい、司会者
定刻だろ?
何やってんだよ?
準備悪いんじゃないか?

などとは誰も言わない。
日本は優しい人の国だから。
世間の風はいつも暖かい。

準備に没頭している司会者を尻目に参加者が始めるのは、
「雑談大会」である。
緊張感や意欲は吹っ飛んでしまう。

そして、ようやく準備が整い、そろそろ始めますと言うと、参加者は優しくニコニコして雑談を止める。
その一見、友好的な空気に包まれて、司会者が言う。

「いやぁ、全然準備してなくて」
「出ようとしたら電話がかかって来ちゃって」
「前の会議が押しちゃって」

参加者は皆、そうかい大変だったねと、世間の暖かい風を送る。
こうして、司会者がぎりぎりにやって来た会議は、始まった時に終わっている。

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