日清悲願の「カップライス」第三世代 「カップヌードルごはん」
かつて、カップライスという商品があった。
発売はカップヌードルの発売から4年後の1975年。
チキンラーメン、カップヌードルを世に出した日清食品創業者の安藤百福が、政府から余剰米の消化をもちかけられて商品化。
チキンライスドライカレー、エビピラフから赤飯に至るまで7種類が発売された。
世界初の即席麺「チキンラーメン」
世界初のカップ麺「カップヌードル」
これら歴史的商品を世に出した日清食品だが、当時、袋麺・カップ麺は各社の参入により安売り合戦となり、薄利多売となっていた。
安藤百福はカップライスを、カップヌードルに取って代わる主力商品と目論んでいた。
1981年頃、一時的に再販されていたカップライスを食べた。
福岡のスーパーでみかけたのはドライカレー、エビピラフの2種類。
お湯を注いだかと思うとすぐに捨てる。そのまま3分ほど米が蒸れるのを待つと出来上がり。
カップライスは美味かった。
特にドライカレーは洋食店で食べるそれと同等の味。ざらざらと舌にまとわりつくカレー粉の食感を今も覚えている。
ただし、高かった。
100円で買えるカップヌードルに対して、カップライスは160円~200円。
販売は不振を極め、1975年の発売直後に撤退を余儀なくされた。
単品損益で大幅な赤字になったこともさることながら、市場を読み違えたカップライスの失敗は、安藤百福にとって大きな心の痛手となった。
カップライス撤退の翌1976年、後のロングセラーとなる「UFO」「どん兵衛」が安藤百福の次男、安藤宏基によって世に出ている。
カップライス撤退から34年後、創業者安藤百福が亡くなった2年後、日清の悲願とも言える「カップライス」二代目が発売される。
2009年3月
GoFan(ゴーハン)
五目チャーハン
シーフードパエリア
スパイシージャンバラヤ
初代カップライスと違うのは、電子レンジを使うところ。
ごはんを温めるのではなく、炊くという視点に切り替えた。
水を入れて、電子レンジで5分待つと出来上がり。
この商品はヒットには至っていないが、2011年現在も販売をつづけている。
そして、2010年夏には三代目「カップライス」と言える「カップヌードルごはん」を近畿でテスト発売。
その販売好調を受けて、2011年7月25日、間もなく全国販売が始まる。
調理方法はGoFanと同じく、電子レンジ調理。
価格は258円になると推定する。
創業者の安藤百福がなし得なかった「カップライス」の成功。
いよいよ、その時が近い予感が漂う。
出たらスグ試さなければならない。
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コメント
あ、このカップヌードルごはん、こないだコンビニのカップラーメン売り場で見かけました〜!でもカップライスってその一回しか見たことないなぁ〜…。初代から美味しかったとは意外!
投稿: しろ | 2011年7月12日 (火) 12時41分
近畿ではよく売れているらしいので、発売が楽しみです。
できれば「ドライカレー」を復刻してほしい!
投稿: moto | 2011年7月12日 (火) 18時08分