後の暮らしを支えることになる、終盤の粘り
37-38km
全国健勝マラソン日本海大会のコースはワンウェイ折り返し。
同様なレイアウトは、過去に2度経験がある。
ただしその2回、荒川(現・板橋City)と湘南がほぼ一直線だったのに対して、ここのコース取りは複雑。
行きと帰りは同じ道を走っているのだが、向きが逆だとまったく違うコースに見えた。
あとで振り返ればそれは新鮮と言えるが、走っている時は先が見えず不安だった。
あと5kmの看板が見えた。
この大会の距離教示は5kmごと。最後だけはあと5km、3km、2km、1kmの看板がある。
ここからは、数字が減るのが楽しみだ。
38-39km
相変わらず、周囲には誰も走っていない。
山間を抜ける下り坂は日影になっていて涼しい。
まだまだ足は残っている。
ここ数ヶ月、走る度に右ふくらはぎが痛くなっていたのだが、今日は一度も痛みが出ない。
僕の足よ、君らはなんというやつだ。
下り坂に助けられて、このラップは6分30秒。
自己ベスト更新成るか?
はらはらドキドキのレースが続いているが、エネルギーの使い残しがないよう目の前の走りに集中できている。
去年の長野で、ゴールまでイーブンペースで走りきった自信が支えている。
今年はさらに上の練習をしてきた。
ここに来て、不測の"失速"という文字は頭の中にない。
マラソンは走る度、不安が1つずつ消えていく。
今となっては、その不安も楽しかったと言えるが、やはり、ランナーとしては「いい走り」ができるようになっていくことが嬉しい。
39-40km
いよいよ、ずっと恐れていた残り3kmにさしかかる。
ここでまた、失速を食らえば自己ベストの目が消えてしまう。
ところが、思っていたほど上り坂一辺倒というわけではなかった。
スタート前に見た高低差図のイメージが、強く焼き付いていただけだったのだ。
Mr.childrenの「GIFT」
この曲はゴールした後に聞こうという願いをこめて、この時間帯に入れた曲。
だが、目の前にあるのは「あと3km」の看板。
目標に対して3km届かなかったんだな…
この時、後ろから僕の背番号「20」を必死に追っていた人が居た。
もちろん、見ず知らずのその人のことを僕が知るはずもない。
40-41km
遠くにパトカーが停まっている。
交通規制をする警察官が見えてきた。
ランナーが通る度に、交差する道路のクルマを停めているのだ。
コースを沿道の人が横切るのは見たことがあるが、クルマを通すのは初めて見た。ランナーが少ない大会ならでは。
クルマを停めてくれた警察官に会釈して、交差点を突き抜ける。
ついさっきまで、永遠かと思われた苦しさ。
しかし、もう競技場が近づいている。嘘のようだ。
♪見たことのない場所へ くねくね道を進め♪
「ただいま」大貫亜美
1997年テレビアニメ「はれときどきぶた」エンディングテーマ。
懐かしく軽快な曲が少しゴールへ背中を押してくれた。
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