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2011年8月17日 (水)

コレクター至福の時代 1997年~1998年

我が心のノモマックス(3)

スポーツシューズ、特殊器具、健康食品・・・
それまでに買ったことがないような商品が欲しいと思った時、人はその業界の知識がない。
それはコレクター初心者にとっても同じこと。
ガチャポン・フィギュアであれば玩具業界
Gショックであれば時計業界
靴であれば靴業界
それぞれの業界の商慣習が違う。

それゆえに、商品がどのように入荷して発売されるのかがわからないのだ。
今日は出ていなかった。明日は出るかも知れない。
1日でも巡回をさぼって、その日に発売されたら悔いが残る。
そう思うと、毎日気を抜くことができない。
当てのない巡回は、メリハリを付けることができないのできつい。

靴コレクターを始めてから3か月が過ぎる頃には、いろいろなことがわかっていた。
スポーツメーカーの靴は年間4シーズンの区切りで販売されていること。
ある靴が2シーズン以上にわたって売られることもあれば、1シーズン限りのこともある。
同じモデルが、次のシーズンには配色を変えて発売されることが多い。
コレクターはそれを「カラーバリエ」という。
あるシーズン(3か月区切り)の中でも、いつ発売されるかは、モデルによって違う。
レイトスプリング(通称LS)シーズンの靴が 4月1日から発売されるとしても、カタログに載っていた全モデルが一斉に発売されるわけではない。
Aというモデルは4月1日、Bというモデルは6月1日というように時期がずれる。

ノモマックス巡回では、右も左もわからぬ状態だったため毎日が臨戦態勢。
靴業界の事情がわかっていれば、次のようなメリハリがつけられる。

まず、そのシーズンのカタログにそのモデルが載っているか。
載っていなければ、少なくとも3か月は出ることはない。
過去に出ていたモデルが、カタログに載っていないということは、オリジナル(インラインという)で出ることはもうない。
出るとすれば、遠い将来の復刻(SC = Sports Classicという)だけ。

カタログに載っているならば、販売店に入荷時期を確認する。
しかし、メーカーから入荷月日が伝えられるのは直前のため、1か月も2か月も先のことはわからない。
発売日がわかるまでは、こまめにショップに足を運ぶか、電話で問い合わせて発売日が判明していないかをチェック。

来る日も来る日も巡回するのだが、ノモマックスはどこにもない。

125054 店員に顔を売るために何か買う

夜になると、風呂上がりのビールを飲みながら「NIKE完全読本VOL.3」を手に取る。
美しいノモマックスの写真にうっとり。
この靴が手に入ったら、ウォーキングを始めよう。
僕はカタチから入る男だ。
これまでは忙しさにかまけて、なかなか運動を始めることができなかった。
この靴が手に入れば、それをきっかけに頑張れる。
それが、再びスマートな体型を取り戻すための第一歩だ。

そこで、心理的防衛機制が働く。もしかして僕は一生ノモマックスと縁がないのかも知れない。そういう人生もあるだろう。
これまで欲しいと思うものは、懐が許す額のモノならば、なんでも手に入った。
だが 15,000円のノモはどこにも売っていない。
いったい、君はどこにいるんだ・・・

現代は、インターネットが普及したということと、不況という2つの要因により、何もかもが容易に手に入る時代。
今思えば、もしかして一生手に入らないのかと不安におびえた 1997年~1998年が愛おしい。

わが心のノモマックス目次

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