あのノモマックス、見逃していませんか?
わが心のノモマックス(5)
ノモマックスは1997年Springシーズンに発売された。
「NIKE完全読本Vol.3」によると発売月は「1996年12月、1997年2月」となっている。
ファーストカラーは青/白と白/黒の2種。
ドジャーブルーに白の組合せのファーストカラーは、3シーズンに渡って販売された。
同じカラーのモデルが3シーズン連続でカタログに載ることは、珍しいことだった。
ノモマックス以来、靴コレクターの道に入っていた僕は、半年もするとなじみの靴屋を見つけ、ナイキの翌シーズンカタログを見せてもらえる関係を作っていた。
ノモマックスの3シーズンめの頃には、既にナイキブームは終焉している。
店頭には当たり前のようにノモマックスが展示されていた。
「え?持っている?2足めのコレクションに!」
「あのノモマックス、見逃していませんか?」
知恵を絞ったPOPが、過剰在庫を抱える販売店の苦悩をにじませていて共感を覚えたが、さすがにそれ以上は買えなかった。
ヒールトップには野茂の背番号「16」の刺繍。
アッパーデザインは、野茂の「派手でなくアグレッシブなものに」というリクエストを元に彼が好きなドジャースのチームカラー青、白を採用。
ギザギザのデザインは、空想上のモンスターの手をイメージしたと開発者の金井準一が語っている。
参考文献
「NIKE完全読本VOL.3」ソニー・マガジンズ 1996.12.30発行
ノモマックス発売と同時期、野茂が試合で使用していたスパイクも発売された。
AIR NOMO、通称ノモメタル。
ノモメタルのミッドソール・クッションは、前後ともズームエア。
購入から14年が経った今も、外見上は加水分解もなく平穏を保っている。
草野球チームに入っているわけでもない僕は、スパイクの刃がついた靴で表を歩く機会がない。
"使うコレクター"を自認しているものの、この靴の使用回数は最も少なく、買ってすぐに近所の公園で履いた一度きりにとどまっている。
できることならば、スパイクの刃を外して街で履きたいくらいイカしている。
靴は経年劣化する。
5年もすると、ノモマックスのようにレザー系の素材が使われているものは、陽と湿気を浴びて別の顔を見せ始めていた。
そこで、2002年にはヤフオクでさらに投げ売りされていたところを買い足した。
この靴は靴ラックに飾らず、除湿剤を入れて箱のまま保管した。
そうすると色が変わらず、美しいままの姿を保つことができる。
写真は2002年に撮影したもの。ビジブルエアが透明で奥が見通せる。
9年経った今、箱を空けてみるとアッパーは美しいままだったが、ビジブルエアは黄色く曇り始めていた。
2006年
1997年に購入したノモマックスは、購入後9年でリアフットエア周りのミッドソールが加水分解し、寿命を終えた。
ナイキのビジブルエア~透明の空気バッグ~は、加水分解が始まるとビニルが曇って中が見えなくなるので、わかりやすい。
これで履けるノモマックスが無くなった。
"使うコレクター"なので、履けなくなった靴はすぐ処分する。
だが、わが心のノモマックスだけは捨てられない。
靴ラックに並んでいて、その姿が見えるだけでいい。
すべての靴の中でも、ノモマックスだけは別格なのである。
つづく
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