上原浩治にあって澤村拓一になかったもの
◆29試合め 2011年10月22日
○5-2横浜
BSニッテレが放送。
3回1/3 被安打3 与四球0 奪三振3 失点2 自責点2
通算11勝11敗
最終防御率2.025
順位が確定した後の消化試合でもある今期最終戦。
「澤村に200イニング投げさせるために闘ってるんじゃない」と言っていた原監督が、最後に個人成績にこだわったのは意外だった。
投球回数200イニングを達成させようという原監督の配慮で先発登板。
この試合では中日吉見と最多勝を争っている内海に勝ち星をつけることも大命題。
すでに吉見はリードした試合の5回から登板して18勝めを獲得。
内海に1勝の差をつけている。
澤村拓一はリードした状況、あるいは同点のまま4回を投げ終えて、内海にバトンを渡さなければならない。
4回表1アウトをとり200イニングに到達。
ここで降板していれば防御率1点台でデビュー年を終えることができた。
だが、次打者村田に二打席連続の本塁打を喫し、そこで交替。
惜しくも防御率1点台を逃した。
この2本の本塁打を含めて、澤村拓一はこの試合3度打球の行方を咄嗟に振り返った。
後がない絶対に打たれてはいけないトーナメントを戦っているような気持ちで投げていたのだろう。
最多勝を狙わせるため5回からは内海が登板。
首位打者を狙わせるために先発から外した長野が代打逆転サヨナラ満塁本塁打を打ち、せこい途中登板で18勝めを挙げた吉見に並んだ。
試合前日、阪神のマートンが「自分はリードしていても最後まで打席に立ちたい」と、暗に長野に休むなよと言うメッセージを送っていた。
江川の1年めは9勝10敗
ただし、それは 澤村よりも 2か月短い、実質4か月のシーズン。
"空白の1日"というルールの不備を突いた「江川問題」の末、小林繁とのトレードで入団した経緯をふまえて、巨人は自粛により5月末まで江川をイースタン・リーグに出場させていた。
江川は2年め16勝、3年め20勝と階段を上った。
澤村にとってその数字が一つの目標となる。
11月30日
新人王獲得
250票のうち235票を獲得した。
巨人からは2008年の山口、09年の松本哲、10年の長野に続く4年連続での選出。
同一球団からの4年連続新人王は史上初。
(3年連続は 1984~86 広島 小早川、川端、長冨)
「スカウトの方が正しかったことを証明するためにも、頭一つ二つ、抜けなきゃいけないと思っていた。求められているものが違うんだと、自分に言い聞かせてきた」
元楽天監督野村克也の著書「野村の見立て」に、中日の落合監督が「2010年の新人では澤村がナンバー1の素材」と語っていたことが描かれている。
まったく予想通りの1年だった。
江川入団の年以来、守りの時間も楽しかった。
もしかして、上原浩治のように20勝もあるかと思っていた。
上原にあって澤村にないものは何か。
それは本人がよく理解したうえで、解決に向けて取り組んでいる。
2012年シーズン。
ピンチに立った場面で、打者が手も足も出ないストレートをコーナーいっぱいに決める澤村の姿が今から楽しみである。
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