バス玉突きの法則
路線バスをバス停で待っている。
時刻表によると、この時間帯ダイヤは7分間隔。
だがもう、15分待っている。
そこにいつもより2倍と思われるような客を乗せたバスが重そうに到着する。
いつもならば、どこかに座れるのだが、どこにも席はなく、通路には立錐の余地もない。
仕方なく、つり革につかまり目的地までをやり過ごし、バスを降りる。
バスを見送って進行方向の後ろに向かって歩き始めた時だ。
次のバスがやってきた。
さっき乗ってきたバスの3分の1の客を乗せて。
なんだよ今頃2台も来て・・
そう憤慨したところに、視界の右側からまた次のバスが来た。
運転手だけを乗せて・・・
サラリーマンが退勤する時間帯。
接続する鉄道の電車が着いたタイミング。
道路も仕事から事務所や自宅に戻るクルマで混んでいる。
そんな時、バスの遅延が起こる。
これを、しらべるでは「バス玉突きの法則」と呼ぶ。
1台めのバスが渋滞の最後尾にさしかかる。
定時よりもバス停に遅着する。
バス停には帰宅ラッシュの客があふれている。
乗降に時間がかかる。
定時に出発した先発と遅れて到着した次発。
その間には広い間隔ができる。
間隔が開くほど、乗客はバス停に蓄積する。
始めに遅れたバスが、大量の客をひろうことになる。
その後方を走るバス。
道路の渋滞状況はほぼ同じなのだが、先発のバスが本来、このバスに乗るはずだった客まで全部ひろってしまっている。
先発との間隔は定時間隔より狭く、客は少なくなる。
さほど乗降に時間がかからず、先発のバスを追う。
これがすべてのバス停で繰り返される。
そうなると、ある地点からは満員のバスの後ろを、空車のバスがぴたりと追走する光景となる。
バス停で待っている人たちは、あぁこれだけ遅れているということは、次のバスがすぐに来るなということを体験的に知っているのだが、確証はない。
バスの接近をケータイに知らせるサービスのユーザーでない限り、目の前に来ているバスに乗るのが人情だ。
こうして起こるバスの玉突き。
別に昨今始まったことではない。
もう数十年つづいているはず。
それなのに、バス会社は何ら対策を打たない。
話は簡単だ。
都市のバスはすべて位置管理されていて、指令センターにその情報がある。
空車のバスが、満車のバスに追いついた場合、司令センターは後発のバスに先発バスを追い抜くよう指示すればよい。
バス停とバス停の中間路で追い抜けば、乗車待ちの客には先発、後発どちらが来たのかということは知る由もない。
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