りんご印のコンピューター
「アップルコンピューター」は、1976年、スティーブン・ジョブスが設立した米国のコンピューターメーカー。
「マッキントッシュ=マック」は、世界初の家庭普及型パソコン。
現在では「マック」はアップルコンピューターのデスクトップ・パソコンであるマッキントッシュの愛称であり、MAC OSを搭載するパソコン全般の総称となっている。
マックは1980年代までに芸術家、創造者達のユーザーを獲得。
「創作活動にはマック」という定評を築いた。
一方、企業利用すなわち「ビジネス」はIBM互換機という図式があった。
1980年代、個人のビジネス利用市場はまだない。
それはまだ、ノートパソコンが売られていなかったからだ。
2012年の現代において、IT技術者の中でマックの知識を持っている人は希少である。
希少が故なのかプライドが高く、高飛車な態度をとる人が少なくない。
「スティーブ・ジョブズ パーソナルコンピュータを創った男」
アップルコンピューターとジョブスのストーリーは十分に魅力的だったが、あまり感情移入できなかった。
ナイキの創業期を描いた「Just do it!」を読んだ時も同じ感情がわいた。
日本の「成功秘話」とは違う、少し鼻につく「サクセスストーリー」
それにアメリカ人が書く文章の大仰さが輪をかける。
当時(1990年)身の回りでパソコンを使っている人は1人だけ。
その彼は「マック」を使っていた。
知り合いから安く譲ると言われたらしい。
業界紙には、日本のノートパソコンはNECの98NOTE、EPSONの98互換機、東芝のIBM/AT互換機ダイナブックが市場を分け合っていると書いてある。
一般で「アップル」「マック」という固有名詞を知っている人はほとんどいなかった。
だからこそ、りんごマークはとても格好良かった。
結局、1990年に初めて買ったノートパソコンはMS-DOSの98互換機。
1台50万円もしたのだが、箱から出して使えるようになるまで6ヶ月かかってしまった。
ある程度使いこなせるようになった時、かつてコンピューター展示会でもらったステッカーのうち、一番大きなりんごをディスプレイの裏側、つまり相手に見える面に貼った。
EPSONという文字が隠れ、知らない人が見ればりんご印の会社がつくるコンピューターと思っただろう。
→つづき
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