情報交換お願いします
「情報交換をお願いします」
最近は言わなくなった。
そもそも口で言ってはいなかった。
メールで書いていたのだ。
昔は書いていたと思う。
ではなぜ言わなくなったのか。
「情報交換をお願いします」
は家族には言わない。
同僚にも親しい知人にも言わない。
そんなことを言わなくても、情報は交換するからだ。
それに情報を交換したくなるようなレアなネタを親しい間柄の人が知っていることは滅多にない。
情報を交換したいのは自然と見ず知らずの人になる。
パソコン通信が始まる前は砂上に針を探す如しで、自分と共通の趣味を持つ人を探すことは難しかった。
ネットコミュニティができてから、見つかるようになったのである。
ということで、情報交換をお願いしたい人とはネット上で知り合った、見ず知らずの人になる。
自分が欲しかった情報を持っている人を見つけると、その人に対して言うのだ。
「情報交換をお願いします」
でも、年月が経つに連れてそれは難しいことがわかってきた。
それは、必ずしも情報が交換されていないからだ。
ほとんどの"情報交換"関係において、情報の流れは詳しく知っている人からそうでない人へ、一方的なものになっている。
それでも、かつてネットの創生期においては詳しい人が優しかった。
それまでは誰も見向きもしてくれなかった情報。
それがネットによって関心のある人と接点ができる。
時々感謝されて、時々いやな思いをする。
いやな思いというのは、感謝されないということだ。
相手のために役に立つ情報を伝えた。
しかし、相手からはお礼のメール一つ無い。
メールがあったとしても
「参考にします」
というどこか上から目線な言葉。
もう二度と教えるもんか・・
かつて優しかった人たちも、個別対応に疲れてしまったのだ。
パソコン通信でネットコミュニティが始まった1990年代初頭から既に20余年。
ネットにおける情報伝達は、個人 対 個人ではなく、執筆者 対 閲覧者へと移行した。
どの程度の情報を持っているのかさえわからない人に
「情報交換お願いします」
と言われても、それは交換なのか甚だ怪しい。
相手がそう考えることを見越して
「情報交換をお願いします」
は使われなくなった。
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