携帯電話がなくなった。
生活の中から。
神戸の震災が起きた時、配給の列に並ぶ時に携帯電話があると便利だというニュースを見て買った。
機械の買取も含めて初期費用は10万円だった。
それ以来なので、携帯のない暮らしは17年ぶりということになる。
生活の中にとけ込んでいた携帯。
最近は滅多に使わなくなったので解約した。
それから3か月。
携帯がない暮らしはすっきりしている。
ストレス源が一つ減ったからだ。
携帯は電池が切れる。
ある日、使おうと思ったら電源が入らなくなっている。
それを見越してバッテリー残量の減りを気にしていなければならない。
充電という「to do」が1つ減った。
滅多に使わないといっても、持っている限りは、電話がかかってくる可能性がある。
それは親戚に起きる不慮のできごとかも知れないし、友達からの親睦の誘いかも知れない。
1日に何度か着信を示す青いランプがともっていないかを確認する。
でも灯っていることはない。
それを1日2回として、1年の間に730回。
その手間が減った。
帰宅すると、携帯を鞄から出して机に置く。
着信の確認あるいは、充電のためだ。
そして、朝会社に行く時にそれを鞄に入れる。
財布、家の鍵、携帯・・
そうした朝のチェックから携帯がなくなった。
ほとんど使っていなくても、これだけストレスが減る。
しかもキャリアに払っていた月々2,000円。年間24,000円の上納金も取られない。
いいことずくめだ。
携帯電話がなくなってからテレホンカードを買った。
なかなか売っている店がなくて3軒回ってようやく見つけた。
テレホンカードを持ち歩くようになると、意外なほど町には公衆電話があることがわかった。
これまでは、そこにあっても見えていなかったのだ。
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