いいっすかオブザーバー
僕はオブザーバーですから。
プロジェクトのミーティングの席で、後ろのほうに目立たぬように座っているサトウ君。
あれ、君はメンバーだったかな?という問いかけに対してこう答えた。
「僕はオブザーバーですから」
そのことばの使い方は正しい。
オブザーバーの意味は「観察者」
ビジネスにおいては会議に特別に参加する人。
発言はできるが発議権、議決権はない。
「私はオブザーバーです」と自称して会議に参加する人がいる。
本当は"メンバー"なのにである。
あなたはオブザーバーですよと誰かが任じたわけではない。
こういうのは「自分の意見はありません」という人に多い。
ただ、その割には議事の進行に大きく介入する。
僕だけがわかってないのかも知れないんですけど
基本的なことで申し訳ないんですけど
ひどい場合は、全然関係ないんですけど・・・まで持ち出して、議事を妨害する。
とても始末が悪い。
プロジェクトの事務局として参加している本物のオブザーバーもいる。
しかし、事務局はオブザーバーであること。発議権も議決権もないことを知らない人がいる。
ひどい場合は、事前に事務局とプロジェクトリーダーで「下打合せ」を持って「落としどころ」なるものを決めている。
そしていざ、プロジェクトのミーティングで、メンバーが落としどころと違うところへ往こうとすると、登場するのだ。
「ちょっと発言していいっすか?」
ダメ!
とは誰も言わない。
誰もが無難に敵を作らずに過ごしたい。他の誰かと同じように。
そんな偽物オブザーバーを誰も相手にはしていないが、表面では話を合わせている。
こうしてプロジェクトは"いいっすかオブザーバー"の稚拙な落としどころによって、羅針盤を狂わされる。
そして、企業は迷走していく。
企業がお金と時間を失いたくなければ、プロジェクトの事務局に「いいっすかオブザーバー」を入れてはいけないのである。
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