ユーロ2012 ドイツ-ポルトガル 最低限の予定通り
<後半>
ポルトガル戦になると神がかり的にシュート精度が上がるドイツ。
ところが今日は影を潜めている。
5分、今日初めてポルトガルが攻勢の時間を作る。
ようやくパス回しを軸とする攻撃的なポルトガルが顔を覗かせ始めた。
15分、コエントランにイエローカード。
スライディングタックルが相手のアキレス腱に入ってしまった。
ドイツ応援団の解説者「粘りがないんだよねぇ」と、いま1つ攻めきれないドイツの攻撃陣を嘆く。
18分、インターセプトから中央を突破したロナルド。しかし慎重過ぎた。
シュート態勢に入ろうとしたところを、ドイツの20番に足を入れられてしまう。
23分
「そこなんだけどなぁって思うんだけどねぇ」
解説者のドイツ嘆きが続いている。
ボアテングがロナウドを後ろからつかんでイエローカードをもらう。
ポスティガに替えて20歳のFWオリヴェイラが入る。アナウンサーの紹介によると「ポルトガルを背負って立つと言われている逸材」らしい。
26分、ドイツが先制。
ゾーンで守るポルトガルは、マークに着いていない。他にボールを追う選手が3人。その分、逆サイドにはマリオ・ゴメスが余っていた。
「やっとね」解説者が安堵する。そこからは愚痴がなくなりすっかり音声が静かになった。
これで想定していた最低ライン。0-1のビハインドになった。
後は水を得たドイツに追加点を渡さないことだ。2点さになれば、そこでユーロが終わってしまう。
34分、ゴールを挙げたマリオ・ゴメスに替わりクローゼが入る。
同時にポルトガルはメイレレスを下げてヴァレーラを入れる。その彼に大きな役割が回ってくるのだが、オリヴェイラが入った時ほどの期待感はない。
38分、ポルトガルが押し込む。
ナニのクロスがバーに直接当たる。
ドイツは全員が自陣に戻って守る。
41分、MFエジルに替えてMFクロース。
ポルトガルに同点機が訪れる。
完全に左サイドから崩し、ボールが右にこぼれる。
そこに居合わせたヴァレーラ。しかしMF、GKが勇敢にボールにチャージ。シュートをはじき飛ばす。
47分、左からロナルドが崩し、十分に中を見てナニへラストパス。
ナニのシュートはDFの背中に当たってCK。
ここでドイツはミュラーに替えてベンダーを入れて時間を使う。
3分のアディショナルタイム。これがラストチャンス。
PKエリアに5人が入ってナニのキックを待つ。
ブルーノ・アウベスの頭に合ったがボール2個分、ゴールマウスの上を越えた。
試合を通じて11回のCKを得たポルトガル。ポルトガルの応援を始めてからもう6年になるが、CKからの得点という記憶がない。
50分、試合終了。
「苦しい試合だったと思う」解説者の第一声に安堵の色がにじんだ。
結果は"最低限の予定通り" ドイツに対する"苦手のDNA" この日だけは例外をと願っていたがダメだった。優勝に向けた戦略としては、グループ1位通過のために残るデンマーク、オランダ戦 2連勝が必要となった。
世界に状況を変えてもらうことを期待してはいけない。
周りが変えた状況の影響が自分に及ぶ確率よりも、自分が世界を変える確率のほうがはるかに高いのだから。
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